「オタク友達と付き合えたのにチャラ男に寝取られた話」
「オタク友達と付き合えたのにチャラ男に寝取られた話」
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山吹みおと杉浦たくまは、漫画研究部に所属する大学2年生の親友同士だった。二人ともアニメや漫画に夢中で、放課後の部室は彼らにとって作品について熱く語り合う特別な場所だった。みおは明るく少し天然な性格で、たくまは穏やかで優しいが、好きなものには熱くなるタイプ。部室での他愛もない会話や、互いの好きなキャラクターについて議論する時間が、二人の日常を彩っていた。
ある日、いつものように部室で漫画の話をしていたとき、ふとした瞬間に二人の距離が縮まった。たくまがみおの手を握り、照れながらも気持ちを伝えた瞬間、みおの頬は赤く染まり、彼女もまた同じ気持ちを抱いていることを告白した。それ以来、二人は恋人として新たな一歩を踏み出し、部室は二人だけの秘密の空間となった。放課後、誰もいない部室で手を繋いだり、肩を寄せ合ったりしながら、初々しい時間を過ごしていた。
二人はまだ恋愛に不慣れで、ぎこちないながらも互いを大切に思う気持ちが深まっていた。ある日、たくまはみおにそっと寄り添い、初めてのキスをしようとした。みおもドキドキしながらその瞬間を待っていたが、そのとき、部室のドアが勢いよく開いた。そこに立っていたのは、同じ大学に通う金城幹也だった。
金城はチャラい雰囲気で知られる3年生で、自信に満ちた笑顔と巧みな話術で周囲を惹きつけるタイプだ。彼は偶然を装って部室に現れたが、実は二人の様子をしばらく観察していたことをほのめかした。金城はにやりと笑い、みおとたくまの親密な場面を他の部員や大学中に広めない代わりに、みおにある要求を突きつけた。それは、みおが彼と二人きりで過ごす時間を設けるというものだった。
みおは動揺したが、たくまを守るため、そして二人の関係が周囲に知られるのを防ぐために、渋々その条件を受け入れた。たくまには何も言わず、ただ「大丈夫」とだけ伝えたが、内心では不安と葛藤で胸が締め付けられていた。金城との時間は、みおにとって耐え難い試練だった。金城は巧妙に言葉を操り、みおの心を揺さぶった。彼女はたくまへの想いを胸に秘めながらも、金城の自信に満ちた態度と巧みな話術に翻弄され、感情が揺れ動いた。
一方、たくまはみおの様子がおかしいことに気づき始めていた。彼女の笑顔がどこかぎこちなく、部室での時間が以前のように純粋に楽しめなくなっていることに心を痛めた。たくまはみおに何が起きているのか尋ねたが、みおはただ「何でもない」と繰り返すばかり。それでも、たくまは彼女を守りたいという気持ちを強く持ち、真相を突き止めようと決意した。
金城の要求は次第にエスカレートし、みおは自分の心と向き合う葛藤に苦しんだ。彼女はたくまへの愛を貫きたいと願いつつも、金城の影響力と彼がもたらす複雑な感情に飲み込まれそうになっていた。みおは自分を責め、たくまを守るためとはいえ、自分の選択が正しかったのか疑問を抱き始めた。
物語は、みおが自分の心と向き合い、たくまと共に金城の策略に対抗する決意を固める場面へと進む。部室という聖域を取り戻すため、二人は互いの信頼を深め、困難に立ち向かう。みおとたくまの絆は、金城の介入によって試されたが、それが逆に二人の関係をより強固なものへと変えていくのだった。