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春を迎えていた。身長が一気に伸び、180センチを超える長身になった彼は、ますます学校中で注目を集めていた。以前は穏やかな少年だったが、今では爽やかな笑顔と優しい物腰で、女子生徒たちから熱い視線を浴びるモテ男の代表格だ。部活動のサッカー部ではエースとして活躍し、クラスメートからは「金田くんみたいな人が彼氏だったら最高!」と羨望の的。教師たちからも信頼が厚く、将来はきっと輝かしい道を歩むだろうと期待されている。

そんな金田の心を、幼い頃から独占し続けている存在がいた。神聖なる幼馴染の栞姉ちゃん――本名は栞美さん。彼女は金田より三歳年上で、二十一歳の大学生だ。小さな頃から隣家に住み、いつも金田の面倒を見てくれた優しいお姉さん。金田が転んで泣けば、優しく抱きしめて慰めてくれた。夏祭りでは一緒に浴衣を着て花火を見上げ、冬の雪遊びでは手作りのおしるこを振る舞ってくれた。あの温かな笑顔と、ふんわりとした栗色のロングヘアが、金田の胸を今も締めつける。栞姉ちゃんは金田にとって、ただの幼馴染などではない。かけがえのない、永遠の憧れの人だった。

時は来た――。金田はそう確信した。高校生活も折り返しを過ぎ、毎日のように募る想いが限界を迎えていた。放課後、サッカー部の練習を終え、汗を拭きながら家路につく道すがら、彼は決心を固めた。「今日こそ、栞姉ちゃんに告白する。僕の気持ちを、すべて伝えるんだ」。心臓が激しく鼓動し、手のひらがじっとりと汗ばむ。想像するだけで頰が熱くなった。栞姉ちゃんの瞳に映る自分の姿を思い浮かべ、勇気を振り絞る。

夕暮れの住宅街を歩き、馴染みの門をくぐる。栞姉ちゃんの家はいつも通り、柔らかな灯りが漏れていた。リビングの扉を開けると、彼女はエプロン姿で夕食の準備中だった。「あら、金田くん。おかえりなさい。ちょうどよかったわ、今日も一緒にご飯よ」。その声に、金田の緊張は一瞬溶けた。食卓を囲み、いつものように他愛ない会話を交わす。大学での出来事、アルバイトのエピソード、金田の学校生活。栞姉ちゃんの笑い声が部屋に響き、金田は改めてその美しさに息を飲んだ。白いブラウスから覗く華奢な肩、優しく揺れる髪。すべてが愛おしい。

食事が終わり、片付けを手伝う金田に、栞姉ちゃんは紅茶を淹れてくれた。二人はソファに並んで座り、窓から見える夜空を眺める。沈黙が訪れた瞬間、金田は意を決して口を開いた。「栞姉ちゃん、聞いてほしいことがあるんだ。僕……ずっと、君のことが好きだった。小さい頃から、ずっと。君がいない人生なんて考えられないよ。僕と、付き合ってくれないかな?」。言葉を絞り出すように告白すると、金田の顔は真っ赤に染まった。栞姉ちゃんは驚いた表情を浮かべ、静かにカップを置いた。彼女の瞳に、優しい光が宿る。「金田くん……ありがとう。そんなふうに思ってくれていたなんて」。

しかし、ここで物語は予想外の展開を迎える。栞姉ちゃんは穏やかに微笑みながら、そっと金田の手を握った。「実はね、私も金田くんのことが大好きよ。でも、君の知らない秘密があるの」。彼女の言葉に、金田は息を止めた。栞姉ちゃんは語り始めた――数ヶ月前、金田が学校の委員長と別れた直後のこと。あの頃、金田は失恋の痛みに苛まれ、栞姉ちゃんの家に慰めを求めて訪れた。彼女は優しく抱きしめ、夜通し話を聞いてくれた。その夜、二人は自然と心を通わせ、互いの想いが溢れ出したのだ。以降、何度も何度も、そんな温かな時間を共有していた。金田の心の空白を、栞姉ちゃんの優しさが優しく満たしていた。身体と心の深い結びつきが、すでに何度も繰り返されていたのだ。

金田は愕然とした。貪欲に愛を求めていたはずの自分が、すでに栞姉ちゃんとの絆を無意識に深めていたとは。委員長との別れがもたらした空虚は、とっくに彼女の温もりで癒されていた。栞姉ちゃんは頰を赤らめ、囁く。「だから、告白なんて遅かったのよ。私たちは、もうずっと前から一つなんだから」。金田の胸に、喜びと驚きの波が押し寄せた。二人は自然と抱き合い、長いキスを交わした。外では星が瞬き、部屋の中は甘い空気に満ちる。

こうして、金田の恋は新たなステージへ。身長も心も成長した彼は、栞姉ちゃんと手を取り合い、未来を誓う。幼馴染の絆は、永遠の愛に変わったのだ。金田は何も悪くない――むしろ、最高の幸運を掴んだ男だ。