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『毎朝通勤電車で痴女に狙われています。』田貸魔

『毎朝通勤電車で痴女に狙われています。』

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毎朝通勤電車で痴女に狙われています。

俺はごく普通のサラリーマンだ。三十路も半ば、妻と小さな娘がいて、郊外の小さな一軒家でそれなりに穏やかな暮らしを送っている。毎朝七時過ぎの満員電車に揺られながら、眠い目をこすりつつ会社に向かうのが日課だった。

最近、その通勤が地獄みたいなことになっている。

きっかけは三ヶ月くらい前からだ。いつものようにぎゅうぎゅう詰めの車両に乗って、吊革につかまってぼんやりしていると、背後から柔らかい感触が押しつけられた。最初はただの混雑だと思った。でもその感触が妙に執拗に腰のあたりを這い回り、だんだん位置が下がっていく。ズボンの上から、明らかに意図的に股間を撫でられた瞬間、背筋が凍った。

振り返ろうにも体が動かない。ぎゅう詰めで肘すら曲げられない。そっと下を見ると、スカートの女の子が無表情でこっちを見上げていた。見た目は二十歳そこそこ。化粧も薄く、髪は黒のストレートで肩まで。制服じゃない、普通の私服だ。だけどどこか学生っぽい雰囲気がある。でも絶対に十八以上だ。大人びた目つきと、妙に落ち着いた仕草でそれがわかる。

それからというもの、毎朝決まったように彼女は俺のすぐ後ろに立つようになった。車両が変わっても、時間帯をずらしても、まるでストーカーみたいに追いかけてくる。

最初は軽く触られるだけだった。指の腹でズボンの上からなぞられたり、掌全体で包み込まれるように押さえられたり。でも日に日に大胆になって、いつの間にかファスナーをそっと下ろされ、中にまで手が滑り込んできた。布越しに直接触られる感覚に、頭が真っ白になる。気持ちいい。はっきり言ってすごく気持ちいい。だけど理性が「やめろ」と叫んでいる。

声を上げられない。だって相手は見た目が若い女の子だ。万が一騒いだら、絶対にこっちが悪者になる。「中年男が若い子に痴漢した」って話になるに決まってる。周りの目が怖い。スマホで撮られてネットに晒されたら終わりだ。妻にも娘にも合わせる顔がなくなる。

だから俺は耐えるしかない。歯を食いしばって、彼女の指が動くのにまかせて、なんとか我慢して、目的地まで立っている。降りる頃には膝がガクガクで、会社に着くまでまともに歩けない日もある。

そんな日々が続いていたある朝。

いつもより彼女の息遣いが荒かった。車両が揺れるたびに、熱い吐息が首筋にかかる。今日はいつもと違う。彼女の手が妙に熱っぽくて、動きに焦りが感じられた。

いつものように中に入ってこられた瞬間、俺の体はもう反応してしまっていた。ダメだとわかってるのに、朝からこんな状態になるなんて最悪だ。彼女はそれを感じ取ったのか、指の動きが一気に激しくなった。俺は必死に顔を俯せて、耐えるのに精一杯だった。

次の駅でドアが開いたとき、突然背中を強く押された。

「降りて」

耳元で囁かれた。小さな、でもはっきりとした声だった。抵抗する間もなく、人の流れに押されるようにホームに降ろされる。振り返ると彼女がすぐ横に立っていて、俺の手首を掴んで歩き出した。

「ちょっと待てよ……」

声が震えた。でも彼女は無言で早足で歩く。改札を出て、駅の裏手の古いビルのトイレに連れ込まれた。個室に入るなり鍵をかけられて、壁に押しつけられた。

「家族にばらされたくなかったら……わかるよね?」

彼女が初めてまともに口を開いた。低い、少し掠れた声。目がぎらぎらしてる。俺の返事を待たずに、スカートの裾をゆっくりと捲り上げた。

もう理性なんて、どこにも残ってなかった。