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▶【新刊】「黒ギャル真墨さん」あらまあ

「黒ギャル真墨さん」

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黒ギャル真墨さん

真墨さんはうちの大学で一番目立つ黒ギャルだ。髪は明るすぎる金髪で、いつも大きめのピアスが揺れてる。制服じゃない私服の日だって、短めのスカートにルーズソックス、ネイルは派手なラメ入り。クールな顔で周りを寄せ付けない雰囲気なのに、意外と友達多くて笑うと八重歯が見えるのが可愛い。

俺、柚木は完全にボッチ寄り。友達はいるけど、いつも一人で弁当食ってるタイプ。料理だけは昔から得意で、母さんが忙しかったから自然と覚えた。味見しながら「今日の出汁、ちょっと薄いかな」とか独り言言ってるようなやつだ。

ある日、サークルの新歓コンパで真墨さんが財布忘れたって騒いでた。奢ってくれる人がいなくて困ってる様子だったから、つい声かけちゃったんだ。

「俺、今日は弁当作ってきたけど量多いから、よかったら一緒にどう?」

自分でもびっくりするくらい自然に言えた。真墨さんは一瞬キョトンとして、それからニヤッと笑った。

「マジ? 助かるわ。柚木君だっけ? よろしくね」

それがきっかけだった。

次の日から、真墨さんがたまに俺の席に来るようになった。「昨日のお弁当の唐揚げ美味しかった」「今日のもくれない?」って。最初は残り物渡すだけだったけど、だんだん「真墨さんの好きな味にしてみた」とか意識し始めて、夜中にレシピ検索したりしてた。

ある雨の日の放課後、図書室で二人きりになった。真墨さんが急に真顔で言った。

「ねえ、柚木君。あたし、料理できないんだよね。いつもコンビニかインスタント」

「え、そうだったの?」

「うん。だからさ、ちゃんとしたご飯食べさせてもらってばっかで、なんか悪いなって」

俺が「全然いいよ」って笑ったら、真墨さんはちょっと頬っぺた赤くして目を逸らした。

「じゃあ、お礼したいんだけど…いい?」

その日の夜、真墨さんが俺のワンルームに来た。手作りのケーキとか持ってきてくれたけど、明らかに市販のやつで笑っちゃった。でもそれがまた可愛くて。

「料理以外でお礼、考えたんだけど…」

真墨さんはそう言って、俺の隣に座った。いつもより近い距離。香水の甘い匂いがする。俺が固まってる間に、そっと手を握られた。

「柚木君って、優しいよね。ずっと一人で頑張ってて」

指が絡まって、温かい。真墨さんの長い睫毛が近くて、ドキドキが止まらない。

「だから、今日はあたしが柚木君を、甘やかしたいな」

そう言って、真墨さんは俺の肩に頭を乗せてきた。金髪が首筋に触れてくすぐったい。自然と抱きしめてしまって、向こうもぎゅっとしがみついてきた。

「いいの? 本当に」

「うん。柚木君となら、いいよ」

部屋の明かりを少し落として、二人でベッドに座った。最初はキスだけ。真墨さんの唇、柔らかくてちょっと甘いリップの味がした。だんだん深くなって、息が混じり合う。制服のボタンを外す手が震えたけど、真墨さんが「ゆっくりでいいよ」って囁いてくれた。

服が一枚ずつ落ちていくたびに、真墨さんの肌が見えて、俺はもう頭真っ白だった。黒いレースの下着が妙に似合ってて、ギャルってこういうの着るんだなとか馬鹿みたいなこと考えてた。

「柚木君、優しくしてね」

真墨さんの声が少し震えてた。クールなあの子がこんな顔するなんて、信じられない。でもそれが嬉しくて、ちゃんと大事にしようって思った。

肌が触れ合うたびに、真墨さんが小さく息を漏らす。俺の背中に爪を立てて、熱い吐息が耳にかかる。ゆっくり、確かめ合うように繋がって、二人で同じリズムで動いた。

「柚木君…好きだよ」

真墨さんが泣きそうな声で言った瞬間、俺の中で何かが弾けた。ぎゅっと抱きしめて、名前を呼びながら、全部受け止めた。

終わった後、汗ばんだ体を寄せ合って、毛布の中でくっついてた。真墨さんが俺の胸に指で落書きしながら呟いた。

「また、ご飯作ってくれる?」

「もちろん。今度は一緒に作ろうよ」

「えー、あたし包丁持てないよ」

「じゃあ味見係でいいから」

真墨さんがくすっと笑って、俺の首に腕を回してきた。雨が窓を叩く音が心地よくて、久しぶりに心から安心した。

それからというもの、真墨さんは本当に俺の部屋に通うようになった。料理は相変わらず下手くそだけど、卵焼き焼こうとして焦がしたり、味噌汁に塩入れすぎたりする姿が愛おしくて仕方ない。

「柚木君の作るご飯、世界一美味しい」

そう言って抱きついてくる真墨さんを見て、俺はもう完全に幸せ者だ。

黒ギャルのクールな仮面の下に、こんなに甘えん坊な子がいるなんて。誰にも教えたくない、俺だけの秘密。

これからも、ずっと一緒にご飯食べよう。そして、夜はもっと甘い時間を過ごそう。そう思って、今日も冷蔵庫開けて献立考える俺がいる。