「イキ地獄リフレで目覚める元フィギュア選手女子大生」
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高級住宅街の奥深く、ひっそりと佇む一軒の邸宅。重厚な扉が静かに開くと、そこは「エグゼクティヴ・リフレッシュ・サロン」と名高い、極上の癒しを提供する秘密の空間だった。20歳の綾乃は、友人から勧められたこの店を、好奇心と少しの緊張を抱えて訪れた。元フィギュアスケート選手として、幼少期から厳しいトレーニングに明け暮れ、大学進学後も競技の夢を追い続ける彼女。完璧なプロポーションを誇るが、心の奥底には、抑えきれない渇望がくすぶっていた。
「綾乃お嬢様、お帰りなさいませ……いえ、ようこそお越しくださいました。」
扉の向こうから、穏やかで低く響く声が迎えた。そこに立っていたのは、猛禽類のような鋭い眼光を湛えた、がっしりとした体躯の男──執事服に身を包んだ、30代半ばのハルキだった。彼の肩幅は広く、胸板は厚く、まるで古代の戦士を思わせる筋肉が、洗練された黒いタキシードの下に潜んでいる。綾乃は一瞬、息を呑んだ。こんな立派な男性が、ただのおもてなしをするためにいるなんて。
「あの……私、こういうお店……とか……本当に初めてで……。どうしたらいいのか、わからなくて……」
綾乃の声は震え、頰がほんのり赤らんだ。彼女は白いブラウスに膝丈のスカートという清楚な装い。長い黒髪をポニーテールにまとめ、透明感あふれる肌は、氷上を滑る頃の輝きを今も残している。ハルキは優しく微笑み、深々と一礼した。
「ご心配なく、お嬢様。本日は『初回無料ウェルカム・エグゼクティヴ3時間コース』をご用意しております。私、ハルキが、心身ともに至高のリフレッシュをお約束いたします。どうぞ、このお部屋へ。」
綾乃は促されるまま、柔らかな照明が灯る個室へ足を踏み入れた。部屋はまるでヨーロッパ貴族の書斎を思わせる豪奢さ。深紅のベルベットソファ、芳しいアロマの香り、そして壁一面の鏡。ハルキは丁寧に綾乃をソファに座らせ、温かなハーブティーを差し出した。
コースは、まず「ボディコンディショニング」から始まった。ハルキの大きな手が、綾乃の肩にそっと触れる。元アスリートの彼女は、普段のトレーニングで凝り固まった筋肉を自覚していたが、この感触は別次元。ハルキの指先は、まるで魔法のように、ツボを的確に捉え、優しく、しかし力強くほぐしていく。
「ふう……あっ、そこ……気持ちいい……」
綾乃の口から、自然と吐息が漏れた。ハルキの手法は、単なるマッサージではない。東洋医学の経絡を基に、欧米のスポーツセラピーと融合させた独自の技法だという。肩から背中へ、腰へ、そして脚へ。綾乃の体は、徐々に熱を帯びていく。鏡に映る自分の姿──リラックスした表情、わずかに開いた唇──を見て、彼女は戸惑いを覚えた。
「次は『センシュアル・アロマ・バス』でございます。お嬢様の本来の魅力を、優しく引き出します。」
ハルキは小さな浴槽を用意し、ジャスミンとローズのエッセンスを注いだ。綾乃は恥ずかしげに服を脱ぎ、温かな湯に浸かる。ハルキは傍らで、長い羽のようなブラシで彼女の肌を撫でるように洗う。泡立つアロマが、綾乃の五感を刺激。胸の奥がざわめき、息が浅くなる。
「はあ……んっ……こんなの、初めて……」
体が火照り、頭がぼんやりする。ハルキの視線は、決して下品ではなく、敬意に満ちていた。「お嬢様は、氷の上で輝く戦士。でも、心はもっと自由を求めているのでは?」彼の言葉が、綾乃の胸に刺さる。フィギュアの挫折、完璧を求めるプレッシャー──すべてが、湯気とともに溶け出していく。
コース中盤、「ディープ・リラクゼーション・セッション」へ移行。綾乃はベッドに横たわり、ハルキの指が全身を巡る。今度は、ただのほぐしではない。敏感なポイントを、息遣いに合わせ、波のように刺激する。綾乃の体は、制御不能の快楽の渦に飲み込まれていく。息が荒くなり、腰が自然に浮く。鏡に映る自分は、別人のように妖艶だ。
「あっ……だめ、こんな……止まらない……!」
波状の頂点が、何度も訪れる。綾乃は、汗にまみれ、声を抑えきれず悶える。ハルキは冷静に、しかし情熱的に導く。「これが、お嬢様の本当の姿。抑えていた欲求を、解放なさってください。」3時間のコースは、果てしない頂点の連鎖──「イキ地獄」と呼ぶにふさわしい、甘美なる苦悶の極みだった。
やがて、クライマックスを越え、綾乃は深い安堵に包まれる。ハルキが優しくタオルで体を拭き、温かなローブを羽織らせる。「お疲れさまでした、お嬢様。ご満足いただけましたか?」
綾乃は、鏡の中の自分を見つめ、微笑んだ。頰は上気し、目は輝いている。「……ありがとう。本当の私、目覚めたみたい。」元選手の彼女は、この体験で、新たな自信を手に入れた。氷上だけでなく、心の奥底で輝く自分を。
店を出る頃、外は夕暮れ。綾乃の足取りは軽く、次の訪問を心に誓う。エグゼクティヴ・リフレッシュは、ただの癒しではない。魂を丸裸にし、本来の欲求を呼び覚ます、究極の儀式だった。

