『エロ人妻はヒキニートを救えるか』
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-寝取らせ夫の無茶ぶりシリーズ13-
さやちゃんは三十路を少し過ぎたくらいの、どこにでもいそうな普通の主婦だ。
でも、ちょっとだけ普通じゃないところがある。旦那さんがとにかく変わっていて、妻を他人に貸し出すことに妙な喜びを感じるタイプなのだ。最初は冗談だと思ってたけど、いつの間にかそれが日常のスパイスみたいになってて、もう慣れちゃってる自分が怖いときもある。
そんなある日、旦那がニヤニヤしながら言ってきた。
「さや、近所にいるあの引きこもりの子、覚えてる? もう二十五歳だってさ。親御さんも困り果ててるらしいよ。なんとか社会復帰させてあげられないかなって思ってさ」
「……え、私が?」
「うん。俺、ちょっと話つけてきたんだ。向こうの親御さんも『なんでもしますから』って感じでさ。で、条件考えたんだよ」
旦那の目がギラついてる。もう分かる。この人は絶対まともな条件じゃない。
「仕事見つけてあげる代わりに、さやがご褒美になってあげてくれればいいって話にした」
「……は?」
「要するに、頑張った分だけさやとイチャイチャできるってシステム。簡単でしょ?」
呆れる間もなく、翌週にはその「ヒキニート君」こと、翔太くんがうちに連れてこられてた。
翔太くんは、背が高くて顔立ちは悪くないのに、三年以上部屋に閉じこもってたせいで、なんだかひからびた植物みたいになってた。目はうつろで、髪はボサボサ。Tシャツにジャージという完全なる引きこもりスタイル。でも、さやちゃんを見た瞬間、ちょっとだけ目が泳いだ。興味はあるんだな、ってすぐに分かった。
旦那がテーブルに求人票を何枚か並べる。
「じゃあ、翔太くん。どれにする? これ全部本物の求人だからね」
一番左は軽作業のパート。時給千円ちょっと。
真ん中はコンビニ夜勤。
一番右は……建設現場の雑工。朝六時から夕方まで、炎天下で重いもの運んで、雨が降っても基本外。給料はいいけど、体力的に地獄らしい。
「ご褒美のレベルは、選んだ仕事のキツさに比例するよ」
旦那が楽しそうに言う。
「軽作業なら……キスとか、ハグとかそのくらい。
コンビニなら、ちょっとエッチなことまで。
でも建設現場なら……さやが、翔太くんの好きにしていいって約束する」
さやちゃんは「えっ」と声を漏らしたけど、旦那はもう決めた顔してる。
翔太くん、しばらく黙ってた。
震える手で、一番右の紙を指差した。
「……これ、お願いします」
即答だった。さやちゃん、思わず吹き出しそうになった。
やっぱり男って単純だな、って。
それから一週間。
翔太くん、毎日朝早く起きて現場に行ってるらしい。
最初はフラフラで帰ってきたけど、日に日に顔色が良くなっていった。筋肉も少しずつついてきて、日に焼けて、なんだか別人みたいになってる。
そして「ご褒美の日」がやってきた。
旦那は当然、隣の部屋で見てるつもりでいる。
さやちゃんはリビングのソファに座って、ちょっと緊張しながら待ってた。
翔太くんが入ってきた。
作業着の上にジャケット羽織って、汗臭いけど、それが逆に生々しくてドキドキした。
「……お疲れ様」
さやちゃんが立ち上がると、翔太くんは無言で近づいてきて、ぎこちなく抱きしめてきた。
力強くて、びっくりするくらい熱い。
「我慢……してたんです」
耳元で囁かれて、さやちゃんの背中がゾクッとした。
そのあとは、もう止まらなかった。
最初はぎこちなかった翔太くんの手つきも、だんだん大胆になって、さやちゃんの服を脱がせていく。
三年分、いや、それ以上の欲が一気に爆発したみたいで、息づかいも荒い。
「もっと……いいですか?」
「うん……いいよ。今日は、翔太くんの好きにしていいって、約束だから」
ソファで、床で、キッチンのカウンターの上で。
場所なんて関係なくなって、ただ夢中で絡み合った。
翔太くん、最初は遠慮がちだったのに、だんだん本気になっていく。
さやちゃんも、こんなに必死に求められるのって久しぶりで、頭が真っ白になった。
「さやさん……好きです」
そんなこと言われたら、もうダメだよ。
終わったあと、ぐったりして横になってると、翔太くんがポツリと言った。
「……明日も、現場行きます」
さやちゃん、思わず笑っちゃった。
「え、もっとキツい仕事に変える? そしたら、もっとすごいご褒美あるよ?」
「……本当ですか?」
「うそじゃないよ。旦那も喜ぶし」
翔太くん、ちょっと考えて、
「……じゃあ、もっとキツい現場、探します」
って、真剣な顔で言った。
さやちゃん、心の中で思った。
(あ、これ……本当に社会復帰しちゃうかも)
でも、なんだかそれが嬉しくて、
もう一回、ぎゅっと抱きしめ返してやった。
こうして、
エロ人妻のご褒美作戦は、予想外に効果を上げ始めていた。
果たして翔太くんは完全に外の世界に戻れるのか。
そしてさやちゃんは、どこまで「ご褒美」をエスカレートさせちゃうのか。
……それは、また次のお話で。

