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▶【新刊】「みちゆくはな作品集 かけら。」みちゆくはな

「みちゆくはな作品集 かけら。」

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みちゆくはな作品集 かけら。

全6作品を詰め込んだ総集編だよ。前に配信した5つと、今回新しく描き下ろした1つを合わせて、ぎゅっと一冊にまとめた感じ。ページをめくるたびに、ちょっと切なくて、でもどこか温かくて、胸の奥がきゅっとするような物語が待ってる。

まず最初に収録されてるのは、『枕営業をする女の子の話 1』。リョウジョク×ジュンアイ系って書いてあるけど、要するに夢と現実の間で揺れる女の子の話。名前は出てこないけど、彼女は二十歳過ぎの駆け出し女優。オーディションに落ち続けて、もう何度目かの「特別な面接」。スーツの奥の人が囁く言葉に、最初は震えてた指先が、いつの間にか自分から伸びていく。純粋だったはずの気持ちが、少しずつ色を変えていく様子を、静かなタッチで描いてる。読んでると、なんだか自分の昔の選択を思い出して、苦しくなる人もいるかもしれない。

次は『縁側レイン』。これ、個人的にすごく好き。雨の降る昼下がり、古い家屋の縁側で、幼なじみの二人。女の子はもう二十五歳で、都会から帰省してきたばかり。男の子は地元に残って、畳屋の跡継ぎやってる。昔は毎日のように一緒に遊んでたのに、久しぶりに会ったら妙に距離感があって。雨音に紛れて、ぽつりぽつりと昔話をしてるうちに、抑えてた想いが溢れちゃう。濡れた浴衣の裾が絡まるシーンとか、息が詰まるくらい繊細で、でもその先の温もりがすごく優しいんだよね。

三つ目は『酔いつぶれた可愛い後輩にいろいろしちゃう話』。職場の飲み会で、二十一歳の後輩がべろんべろんになって。先輩である「私」は、介抱するつもりで肩を貸したら、気づいたら自分の部屋に連れ込んでた。寝顔が無防備すぎて、つい指で頬をつつきたくなる。彼女の吐息が首筋にかかって、理性がぐらぐら揺れる夜。朝になって、彼女が恥ずかしそうに「昨日は…ごめんなさい」って言うんだけど、実はお互い覚えてる部分と覚えてない部分があって、そのズレがまた愛おしい。

四つ目は『変態監督がオペラ歌手を目指している綺麗な女の子にいろいろしちゃう話』。二十三歳のソプラノ志望の彼女は、声も容姿も完璧で、でも内気で自信が持てない。ある日、劇団の鬼才と呼ばれる監督に目を付けられて、「君の声はもっと深いところから出せる」とか言われて、レッスン室に閉じ込められる。最初は純粋に発声練習だったはずなのに、だんだん指導の域を超えてく。彼女の震える喉に指が這う瞬間とか、読んでるこっちまで息が詰まる。でも不思議と、彼女はその厳しさの中に自分の才能を見出していくんだ。

五つ目はさっきの後輩話の番外編。こっちは視点が後輩側になってて、酔った自分を介抱してくれた先輩への想いが爆発する話。朝、目が覚めて隣に先輩がいて、慌てて布団に潜り込むシーンとか、めちゃくちゃ可愛い。で、結局また飲みなおすことになって、今度は二人とも素面で、でも酔った勢いみたいに正直になっちゃう。

そして最後、総集編のための描き下ろし『続・縁側レイン 袴田雪瑚の物語』。49ページもある長編だよ。あの縁側の雨の日の後、雪瑚は結局都会に戻った。でも心は地元に置き去り。半年後、畳屋の彼が突然上京してきて、雪瑚のワンルームに転がり込む。狭い部屋で一緒に暮らすうちに、昔みたいに自然に触れ合えるようになってく。でも大人になった二人は、昔とは違う形で想いを確かめ合う。雪瑚の袴田って苗字が初めて明かされるのもここで、なんかぐっとくるんだよね。雨の縁側から始まった物語が、ちゃんと未来に繋がっていく感じ。

どの話も、直接的な描写は控えめにしてるけど、行間から滲み出る熱みたいなものがすごい。みちゆくはなさんの絵は、影の使い方が絶妙で、登場人物の表情がほんの少し崩れる瞬間がたまらない。全部18歳以上の大人たちの、ちょっと不器用で、でも真剣な恋とか欲望とか後悔とかが詰まってる。

ページを閉じた後、なんだか自分の部屋が少し寂しく感じる、そんな一冊。雨の音が聞こえそうな夜に、そっと開いてみてほしい。きっと、誰かの「かけら」が、あなたの胸にも落ちてくるはずだから。