「僕の大好きだった幼馴染 〜七瀬マリナが寝取られるまで〜」
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僕の大好きだった幼馴染 〜七瀬マリナが奪われるまで〜
陸上部モノ・片思い幼馴染BSS(NTR) モノクロ82p
僕の名前は妹尾ユウキ。大学に入学して間もない頃、陸上部に所属する一年生だ。まだ十八歳になったばかりで、身体も心もこれから本格的に鍛えていく段階にある。部活のグラウンドはいつも風が強く吹き抜け、土埃が舞い上がる中を走るのが日課だった。そんな僕の日常に、いつも優しい光を投げかけてくれる存在がいた。それは、二歳年上の幼馴染、七瀬マリナだ。
マリナは陸上部の三年生で、二十歳を迎えている。幼い頃から一緒に遊んだ仲で、彼女の家は僕の家のすぐ隣。子供の頃は一緒に公園でかけっこをしたり、夏祭りで浴衣を着て花火を見上げたりした。あの頃のマリナは、いつも笑顔で僕の手を引いてくれた。成長してからも、その優しさは変わらない。大学に入って同じ陸上部に入部したのは、僕の密かな願いだった。マリナの走る姿が好きだった。長い髪をポニーテールにまとめ、風を切って疾走する彼女の背中は、いつも僕の憧れの対象だ。心の中で、彼女への想いが膨らんでいく。でも、臆病な性格のせいで、告白なんてできなかった。ただ、部活の合間に交わす何気ない会話や、彼女が差し入れてくれる飲み物に、胸を高鳴らせるだけで精一杯だった。
部活は厳しかった。特に、二年生の武田ケンジ先輩は、僕にとって厄介な存在だった。十九歳の彼は、部内でも屈指のスプリンターで、筋肉質の体躯が威圧感を放つ。ケンジ先輩は僕を何かと目の敵にし、練習中に過酷な指示を出すことが多かった。「おい、ユウキ! もっと脚を上げろ! そんなんじゃいつまで経ってもタイム上がらねえぞ!」と怒鳴られ、時にはランニング中にわざと肩をぶつけられたりする。いじめに近いその仕打ちに、僕はただ耐えるしかなかった。マリナはそんな様子を遠くから見守っていたようだ。
ある日の練習中、いつものようにケンジ先輩の厳しい指導が始まった。インターバル走の最中、僕が息を切らしてフォームを崩すと、彼は苛立った様子で近づいてきた。「てめえ、根性ねえな。もう一セット追加だ!」と、僕の腕を強く掴んで引きずるように走らせようとする。痛みに顔を歪める僕の姿を見て、マリナが駆け寄ってきた。「ケンジくん、ちょっと待って! ユウキはまだ一年生なんだから、そんなに無理させないでよ!」彼女の声は穏やかだが、毅然としたものだった。ケンジ先輩は一瞬、睨みつけるような視線を向けたが、マリナの先輩らしい貫禄に押されたのか、「チッ……わかったよ」と吐き捨ててその場を去った。マリナは僕に優しく微笑み、「大丈夫? 無理しすぎないでね、ユウキ」と声をかけてくれた。あの瞬間、僕の心は温かくなった。でも、同時にケンジ先輩の視線が、マリナに向けられたのを僕は気づいていた。
実は、ケンジ先輩は前からマリナに一方的な好意を寄せていたらしい。部室で耳にした噂では、彼はマリナの走る姿に魅了され、練習後に話しかける機会を狙っていたという。僕とマリナの幼馴染関係を知ったケンジ先輩は、嫉妬心を募らせていた。僕がマリナと自然に話す姿を見るたび、彼の表情が曇るのを何度か見たことがある。あのいじめは、ただの厳しさではなく、僕への当てつけだったのかもしれない。そして、ケンジ先輩はマリナを狙う計画を立て始めた。
夕方の部活時間、グラウンドはオレンジ色の夕陽に染まっていた。いつものようにトラックを周回していると、突然、ケンジ先輩が僕の前に割り込んできた。「おい、ユウキ。もっとスピード上げろよ」と言いながら、わざと脚を引っ掛けてきた。バランスを崩した僕は、地面に倒れ込み、膝を強く打ってしまった。痛みが走り、立ち上がろうとするが、足首が腫れ上がっている。マリナがそれを見て、慌てて駆け寄ってきた。「ユウキ! 大丈夫!? ケンジくん、なんでそんなことするのよ!」彼女はケンジ先輩を睨みつけ、僕を支えて立ち上がらせた。ケンジ先輩は悪びれもなく、「あ、悪い悪い。転んだだけだろ?」と笑うが、その目は冷たく光っていた。マリナは僕を心配そうに見つめ、「保健室に行きましょう。ケンジくん、あなたは部活の後片付け手伝って」と指示した。でも、ケンジ先輩は「いや、俺もちょっと足が痛いかも。マリナ、俺も連れてってくれよ」と言い出した。それは明らかに罠だった。マリナは渋々了承し、僕とケンジ先輩の両方を支えて保健室へ向かった。
保健室に着くと、僕はベッドに横になり、先生に手当てを受けた。足首は軽い捻挫で、数日安静にすれば大丈夫だと言われた。マリナは僕の隣で心配そうに寄り添っていたが、ケンジ先輩は別のベッドで「俺も見てくれよ」と先生を呼んだ。先生が去った後、部屋には僕たち三人だけ。ケンジ先輩は突然、マリナに近づき、「マリナ、ちょっと話があるんだ」と囁くように言った。僕は不思議に思いながらも、痛みでぼんやりしていた。マリナは「後でね」と断ったが、ケンジ先輩の表情は変わっていた。やがて先生が戻り、僕たちは部活を早退した。あの時のケンジ先輩の視線が、僕の心に引っかかった。
翌日、朝のグラウンドでマリナの姿を見た瞬間、何かがおかしいと感じた。彼女はいつも明るい笑顔なのに、今日は放心した様子で歩いている。目が腫れぼったく、髪も乱れている。僕は声をかけようとしたが、ケンジ先輩が現れ、ニヤニヤしながらマリナの腕を掴んだ。「マリナ、こっち来いよ。昨日のお礼だ」と言い、彼女を連れて歩き出す。マリナは抵抗する気力もなく、ただ従うだけ。怪しんだ僕は、こっそり後を追った。二人はグラウンドの端にある体育倉庫へ向かっていた。
倉庫の扉は古く、鍵がかかっているはずだったが、ケンジ先輩は慣れた手つきで開けた。中に入ると、すぐに扉が閉まり、鍵の音が響いた。僕は慌てて近づき、ドアノブを回すが、びくともしない。隙間から中を覗くと、そこには信じられない光景が広がっていた。ケンジ先輩がマリナを抱き寄せ、彼女の唇を奪っていた。マリナは最初、弱々しく抵抗していたが、ケンジ先輩の力強い腕に押さえ込まれ、徐々に体を預けるようになる。二人は倉庫のマットの上に倒れ込み、互いの体を密着させ、激しく動き始めた。マリナの息づかいが荒くなり、ケンジ先輩の満足げな笑い声が聞こえてくる。彼女の表情は、昨日の出来事が原因なのか、諦めと混乱が入り混じっていた。
僕はドアを叩いたが、声が出ない。心臓が激しく鳴り、涙が溢れた。幼い頃から大好きだったマリナが、こんなところでケンジ先輩に奪われていく。保健室での出来事は、きっとケンジ先輩の罠だったのだろう。あの時、彼はマリナを脅すようなことをしたに違いない。写真か、何か証拠を握って。マリナは僕を守るために、従っているのかもしれない。でも、今の彼女の様子は、ただの強制とは思えない。ケンジ先輩の動きに合わせて、マリナの体が反応している。倉庫の中から漏れる音が、僕の耳を刺す。
なす術なく、僕は倉庫の外で立ち尽くした。部活の仲間たちが遠くで笑い声を上げている中、僕の心は砕け散っていた。マリナ、なぜ……。僕の片思いは、こんな形で終わるのか。ケンジ先輩の企てに、すべてを奪われた。夕陽が倉庫を赤く染め、僕の影を長く伸ばす。もう、戻れない。

