『セフレの姉がウチに来てなんだかんだ可愛いので中に入れて出した。』
第1話「押しかけ同居と、隠しきれない愛おしさ」
第一章:突然の訪問者と、破られた平穏
都内のIT企業でシステムエンジニアとして働く直人(なおと)は、一人暮らしのコンパクトなマンションで穏やかかつ規則正しい生活を送っていた。休日は趣味の読書や料理を楽しんでいた直人だったが、ある金曜日の夜、その静かな暮らしは突然の突風によって破られることとなった。
「直人~! アタシを助けて~!」
インターホンが激しく鳴り響き、ドアを開けるやいなや飛び込んできたのは、実家を出て一人暮らしをしているはずの義理の姉・結衣(ゆい)だった。大きなキャリーケースを抱え、涙目になりながら直人の部屋へと上がり込んでくる。
事情を聞けば、住んでいたマンションの上の階で水漏れトラブルが発生し、自室が一時的に住めなくなってしまったのだという。業者による修繕が終わるまでの数週間、実家に戻るには職場から遠すぎるため、職場に近い直人の部屋へ身を寄せることになったのだった。
「ごめんね直人! ちゃんと家賃代わりにお掃除もご飯作りも手伝うから! ね?」
両手を合わせて拝むように頼み込んでくる結衣。血の繋がりがないとはいえ、昔から実の姉弟のように育ってきた二人だ。困っている彼女を放っておけるはずもなく、直人は「困った時はお互い様だから」と、一時的な同居を承諾するのだった。
しかし、直人はこの時の自分の決断が、どれほど自分の理性を試すことになるか、まだ気づいていなかった。
第二章:家事のギャップと、伝わる体温
同居生活が始まってすぐ、結衣の宣言した「家事を手伝う」という言葉の怪しさが露呈した。
アパレルブランドのプレスとして働く結衣は、華やかな見た目と洗練されたセンスの持ち主だが、プライベートでの家事能力は目も当てられない状態だったのだ。掃除をすればロボット掃除機にコードを絡ませて立ち往生させ、料理をさせれば卵焼きを炭の塊に変えてしまう。
「うぅ……直人、ごめんなさい……。アタシ、全然役に立ってないよね……」
ソファーの隅で小さくなり、シュンと落ち込む結衣。普段は職場やSNSで「頼れる綺麗なお姉さん」として振る舞っている彼女が、直人の前でだけ見せる無防備で不器用な素顔。困り果てた表情で上目遣いに直人を見つめてくる姿は、直人の想像を絶するほど可愛らしかった。
「いいよ、結衣姉。料理は俺がやるから、結衣姉は洗ったお皿を拭くのだけ手伝って」
「本当!? 直人、やっぱり世界一優しい!」
パッと顔を輝かせ、無邪気に直人の腕に抱きついてくる結衣。ふわりと漂う甘いシャンプーの香りと、服越しに伝わるしなやかで温かな体温。至近距離で弾ける彼女の笑顔に、直人の心臓は破裂しそうなほど激しく打ち鳴らされた。
(ダメだ……義理の姉だって分かってるのに、なんだかんだ可愛すぎて意識してしまう……)
洗面所に残された彼女の化粧品の甘い香りや、リビングでくつろぐ無防備な姿に触れるたび、直人の胸の奥にくすぶっていた「一人の男性としての感情」が、急速に熱を帯び始めていた。
第三章:雨の夜の告白と、強がりの中に覗く素顔
同居が始まって二週間が過ぎた頃、季節外れの激しい雷雨が街を襲った。
その日、直人が残業を終えて帰宅すると、室内は真っ暗だった。落雷による停電が発生していたのだ。懐中電灯の光を頼りにリビングへと進むと、ソファーの脇で膝を抱え、ガタガタと震えている結衣の姿があった。
「結衣姉……!?」
「直人……! よかった……帰ってきてくれた……!」
直人の姿を見た瞬間、結衣は弾かれたように立ち上がり、直人の胸へと飛び込んできた。抱きしめられた強烈な力と、怯える彼女の吐息。直人は咄嗟に結衣の背中に手を回し、優しく撫で下ろした。
「大丈夫だよ、俺がいるから。怖かったね」
「うん……昔から雷、ダメなの知ってるでしょ……。部屋が暗くて、一人で……すごく怖かった……」
直人の胸元に顔を埋め、涙声で呟く結衣。普段の強がりやお姉さんぶった態度は完全に消え去り、そこにはただ、直人の温もりを求める愛おしい一人の女性がいた。
暗闇の中、重なり合う二人の鼓動と呼吸。直人は彼女の華奢な肩を包み込みながら、心の奥底に封印していた本音を抑えきれなくなっていた。
「結衣姉……俺、もう『弟』として君を見ることができないかもしれない」
「え……?」
第四章:解けた境界線と、二人だけの新しい関係
直人は結衣の体をゆっくりと引き離し、懐中電灯の淡い光の中で彼女の目をまっすぐに見つめた。
「ずっと前から、一人の女性として君が好きだった。家事が下手でも、ドジでも、強がってても……どんな結衣姉も可愛くて、俺が一生守ってあげたいって思うんだ」
耳元で紡がれた直人の真摯で熱い告白に、結衣は息をのんだ。そして、濡れた瞳を揺らしながら、照れくさそうに頬をポッと赤く染めた。
「直人……ずるいよ。アタシがずっと『お姉ちゃん』でいようと必死だったのに……」
結衣は直人のシャツの胸元をギュッと掴み、自分の額を直人の胸に当てた。
「水漏れのこと……本当は実家に帰ることもできたの。でも、直人の部屋に行きたいって思ったのは……アタシも、直人のことが好きだったからなんだよ? 頼りになる男の人になっちゃって……アタシの方がドキドキして困ってたんだから……」
明かされた結衣の本当の気持ちに、直人の胸はいっぱいに満たされた。直人は結衣の腰に手を回し、今度は逃がさないように強く、深く抱きしめ返した。
復旧した部屋の明かりが、照れくさそうに微笑み合う二人を優しく照らし出す。
「お姉ちゃん」という境界線を踏み越えたふたり。アクシデントから始まった突然の押しかけ同居生活は、どんなお菓子よりも甘く、温かな本物の恋の始まりへと変わったのだった。
『セフレの姉がウチに来てなんだかんだ可愛いので中に入れて出した。』
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