導入:紅白出場決定と突然の炎上
2025年11月14日、NHKが発表した第76回紅白歌合戦の出場アーティストの中に、K-POPの新星**aespa(エスパ)の名前が並んだ瞬間、多くのファンが歓喜に沸いた。2020年に韓国でデビューしたこの4人組多国籍ガールズグループは、メタバースをテーマにした革新的なコンセプトと、「かわいい」と「カッコイイ」**が融合したパフォーマンスで、世界中の若者を魅了してきた。韓国、日本、アメリカで次々とヒットを飛ばし、2024年には日本デビュー前に東京ドーム公演を成功させるほどの人気を誇る。
しかし、この喜びのニュースは、すぐに炎上の渦に飲み込まれた。きっかけは、グループの中国人メンバーニンニン(Ningning)が2022年にファン向けアプリBubbleに投稿した一枚の写真。そこに映っていたのは、キノコ雲型のランプ。**「可愛いライトを買ったよ〜〜〜どう?」**という無邪気なコメント付きでアップされたこの画像が、紅白出場発表を機に再び掘り起こされ、SNS上で大論争を巻き起こしたのだ。
日本では広島・長崎の原爆投下を象徴するキノコ雲の形状が、トラウマとして根強く残る。公共放送の象徴である紅白歌合戦に、こうしたセンシティブなイメージを「可愛い」と表現した過去を持つアーティストが出場するのは不適切ではないか? という声が噴出。X(旧Twitter)では**「#aespa紅白辞退」や「#aespa原爆ランプ事件」**がトレンド入りし、オンライン署名まで立ち上がった。視聴回数は数百万を超え、K-POP全体への波及も懸念される事態となっている。
この記事では、aespaの魅力から炎上の経緯、背景にある文化的な違い、過去の類似事例までを徹底的に解説する。なぜ今、こんな議論が起きているのか? そして、aespaの未来はどうなるのか? 深掘りしていく。
aespaとは? 世界を席巻する4人組の軌跡
まず、aespaの基本を押さえよう。aespaはSMエンタテインメントからデビューしたグループで、メンバーはカリナ(リーダー、ラッパー)、ジゼル(日本人メンバー、ラッパー)、ウィンター(ボーカル)、**ニンニン(中国人メンバー、メインボーカル)**の4人。多国籍という点が特徴で、グローバルな視点を体現している。
デビュー曲**「Black Mamba」(2020年)は、仮想世界の「æ(エ)-アバター」という独自の世界観を導入。MVではメンバーとアバターが共演し、メタバースの先駆けとして話題になった。以降、「Next Level」(2021年)はBillboard Global 200で1位を獲得し、「Savage」や「Girls」**でK-POPの新時代を切り開いた。
2023年のミニアルバム**「MY WORLD」はリリース1週間で169万枚を売り上げ、Circle Chartで年間1位。2024年はシングル「Supernova」と「Whiplash」がストリーミングで1億回再生**を突破。アメリカのBillboard「2024年ベストK-POPソング」に選出されるなど、国際的な評価を確立した。日本ではNHKの音楽番組「Venue101」でライブを披露し、SNSで大反響。紅白出場は、そんな勢いの延長線上にある自然な選択だったはずだ。
しかし、人気の裏側で、aespaはこれまでもいくつかの論争に巻き込まれてきた。カリナの恋愛スキャンダル(2024年)で一部ファン離れが発生したり、ウィンターの健康問題が心配されたり。だが、今回のニンニンのランプ投稿は、歴史的・政治的なニュアンスを帯び、規模が桁違いだ。
炎上の発端:2022年のBubble投稿が掘り起こされる
問題の投稿は、2022年にニンニンがBubble(SMのファンコミュニティアプリ)で行ったもの。Bubbleは有料で、ファンとアイドルのプライベートな交流を目的としたツール。ニンニンは**「可愛いライトを買ったよ〜〜〜どう?」と、中国語でコメントを添え、ランプの写真をアップ。ランプはキノコ雲**のような形状で、炎のエフェクトが付いたユニークなデザイン。彼女の部屋のインテリアとして、純粋に可愛いと思った様子が伝わる。
当時はほとんど反応なし。Bubbleの購読者は限定的で、日本ファンも気づかなかった。だが、2025年10月頃、紅白出場内定報道が出ると、X上で過去投稿がスクリーンショットで拡散。「日本人なら拡散しください」というキャプション付きで広がり、瞬く間に数万件のポストに。視聴回数は3000万回を超え、Change.orgで紅白出場停止の署名が開始された(11月17日時点で数千筆)。
Xの投稿例:
- 「NHK紅白に内定した#aespa メンバーの中国人の女が…『可愛いランプ買ったよー』炎まで再現した原爆キノコ雲ランプ 絶対日本ヘイトだよな」
- 「aespaの紅白出場停止を求めます。オンライン署名にご協力ください。」
これらの声は、「反日感情の表れ」と見なすものが多い。ニンニンの出身地ハルビンは、日中戦争時に731部隊の舞台となり、数千人の犠牲者を出した歴史がある。一部では**「中国人の視点から見れば、原爆は報い」という解釈も囁かれるが、日本側は「意図的か無知かに関わらず、不適切」**と一蹴。
なぜ今、再燃? タイミングの悪さと紅白の文脈
炎上が爆発した最大の理由は、タイミング。2025年は戦後80年の節目。紅白の司会は広島出身の有吉弘行と綾瀬はるか、トリは長崎出身の福山雅治とMISIAの可能性が高いと報じられている。被爆地を象徴する布陣の中に、キノコ雲を可愛がる投稿が並ぶ構図は、視聴者のモヤモヤを増幅させた。
スポーツ紙記者のコメント:「戦後80年の紅白は、平和をテーマにフィーチャーされるはず。aespaの選出は音楽的な実績から妥当だが、過去の投稿が掘り返されると、NHKの判断に疑問符がつく。」
また、K-POPの日本進出が活発化する中、反日イメージの懸念が強い。aespaには日本人メンバーのジゼルがいるのに、グループ全体の配慮不足を指摘する声も。Xでは**「ジゼルがいるのに、なぜ止めなかった?」**という投稿が目立つ。
擁護派の声:文化的な違いと過剰反応?
一方で、擁護の声も少なくない。国際的なファンからは、**「ただのインテリアランプ」**と見なす意見が。
- 「このランプは日本でも子供部屋向けに売られている。原爆を意図したわけがない」(Koreaboo記事)
- 「ニンニンはハルビンの出身。日中戦争の被害者家族が多い地域で、原爆を『可愛い』と思う心理は理解できるが、無知の可能性が高い」(Reddit議論)
韓国ネットでは**「日本の過剰反応」と冷ややか。Pannchoaでは「aespaを支持するが、初めて見た。気にしすぎ」**というコメントが多数。グローバル視点では、**アニメ(例: Attack on Titan)**でキノコ雲が描かれるのに問題視されない点を挙げ、ダブルスタンダードを指摘する。
ニンニン本人やSMからの公式コメントはまだない。過去のaespa炎上(カリナのデート問題)では迅速に謝罪したが、今回は沈黙。ファンは**「無言が火に油」**と心配する。
過去の類似事例:K-POPと日本の歴史摩擦
この炎上は、K-POP史上繰り返されるパターン。歴史的トラウマが絡むと、国際問題化しやすい。
- BTS原爆Tシャツ事件(2018年):ジミンが原爆をモチーフにしたTシャツ着用で、日本出演キャンセル。BTSは謝罪文を発表し、収束したが、反日ボイコットを招いた。
- NMIXXの独島ソング替え歌(2022年):日本で**「独島は韓国領」**の歌を歌い、炎上。JYPはスルーし、イメージダウン。
- ENHYPENの「jap」発言(2023年):メンバーSunooの**「日本人(japの略)」**使用で非難。謝罪で済んだが、言葉のニュアンスの難しさを露呈。
これらから、K-POPアイドルは日本文化のセンシティブさを学ぶ必要がある。一方、日本側も文脈の違いを考慮すべき。日韓・日中関係の複雑さが、娯楽を政治化させる。
| 事例 | 年 | 内容 | 結果 |
| BTS Tシャツ | 2018 | 原爆イラスト着用 | 日本出演キャンセル、謝罪 |
| NMIXX 独島歌 | 2022 | 領土問題ソング | 炎上継続、事務所スルー |
| aespa ランプ | 2022(再燃2025) | キノコ雲ランプ投稿 | 紅白出場反対署名、未解決 |
影響と今後:紅白出場は危うい? aespaの危機
この炎上はaespaの日本活動に直撃。来年予定の初日本ドームツアーは、チケット販売に影響か。NHKは**「選出基準は音楽実績」とコメントしたが、視聴者抗議が増えれば辞退の可能性も。Xでは「aespaのためにも辞退を」**というファン投稿が散見される。
K-POP全体では、**「反日イメージ」の強化を懸念。2024年の紅白にNewJeansやLE SSERAFIMが出演し好評だったが、aespaの件で逆風。一方、国際ファンは擁護し、「音楽で判断を」**と呼びかける。
SMの対応が鍵。BTSのように謝罪すれば収束か? だが、無言が続けば長期化。ニンニン個人への誹謗中傷も問題で、メンタルヘルスの懸念が生じる。
結論:文化対話の機会に
aespaの炎上は、一枚のランプ写真から始まったが、日中・日韓の歴史を映す鏡だ。ニンニンの投稿は悪意か無知か? いずれにせよ、グローバルアイドルの配慮の重要性を教えてくれる。紅白出場がどうなるかはわからないが、音楽の力で乗り越えられるはず。
aespaのファンとして、彼女たちのパフォーマンスを信じたい。炎上は学びのチャンス。皆さんはどう思う? コメントで意見を!
