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【激ヤバ】『小悪魔ちゃんのこうげき!10はじめておしり編』ヤモセブン(あゆま紗由)

『小悪魔ちゃんのこうげき!10はじめておしり編』

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第一章:マイペースなエンジニアと、破天荒な小悪魔

IT企業のシステム開発部で働く航平(こうへい)は、感情を表に出すことが少なく、常に冷静沈着なプログラマーだった。膨大なコードと向き合い、バグのない完璧なシステムを組み上げることが彼の生きがいであり、彼のパーソナルスペースは誰にも乱されない平穏な聖域だった。
そんな航平の静かな日常に、突如として強力な「バグ」のような存在が飛び込んできた。
別部署からプロジェクトのサポートとして配属されてきた、新人Webデザイナーの小夜(さよ)である。
小夜は小柄で可憐な容姿を持ちながら、猫のように気まぐれで、狙った相手を翻弄することを楽しむ「小悪魔系」の女性だった。誰にでも愛想が良く、愛くるしい笑顔で社内の男性陣を魅了していたが、特に無表情で自分になびかない航平に対して、強いターゲット意識を燃やし始めたのだ。
「航平さ〜ん! ここのデザイン案、どっちが良いか選んでくれないと、あーし帰れないかも〜!」
ある日の夕暮れ、デスクで集中していた航平の隣に、小夜が椅子ごとキャスターを滑らせて至近距離まで割り込んできた。
「小夜さん、近すぎます。メールで資料を送ってくれれば確認しますよ」
「え〜? 冷たいな〜! 画面越しじゃなくて、航平さんの目の前でアピールしたいのにっ!」
小夜は首を少し傾け、大きな瞳で下から航平の顔を覗き込んできた。ほのかに漂う甘いフローラルの香りと、触れ合いそうなほど近い距離感。タイトルにある「小悪魔ちゃんのこうげき!」とは、まさに小夜が航平の平穏な日常と理性を揺さぶるために繰り出す、計算し尽くされた無数のアプローチ(=こうげき)のことだった。
しかし、航平は「業務に支障が出ます」と淡々と応対し、平然を装っていた。それを見た小夜は、内心で「キーッ! なんでこの人、全然動揺しないの!?」と悔しさを募らせ、さらに強力な「こうげき」を企てるのだった。

第二章:エスカレートする「こうげき」と、小さな綻び

その日から、小夜の航平に対するアプローチは激しさを増していった。
残業中のオフィスで、缶コーヒーを差し出しながら「はい、航平さんのために淹れた(缶だけど)特別なコーヒーだよっ!」とウィンクしてみたり。
エレベーターで二人きりになった瞬間、「ねえ、今日の私、どこか変わったと思わない?」と顔を寄せて、唇を少し尖らせてみたり。
航平は表面上、相変わらずポーカーフェイスを崩さなかったが、実は彼の心の中の「防御壁」は、小夜の「こうげき」を受けるたびに限界ギリギリまで削り取られていた。小夜の可憐な仕草や、時折見せる素の無邪気な笑顔を目にするたび、胸の奥で早鐘のような鼓動が鳴り響いていたのだ。
だが、いつも航平を翻弄して楽しんでいるはずの小夜自身にも、予期せぬ変化が起き始めていた。
ある日、小夜が担当したデザイン案がクライアントから理不尽な理由で却下され、社内で落ち込む出来事があった。いつも強気な小夜も、誰もいない給湯室で膝を抱えて落ち込んでいた。
そこへ静かに現れたのは、航平だった。
「小夜さん。君のデザインは決して間違っていません。クライアントの要望の裏にある意図を整理したコードを組んだので、この構成で再提案しましょう。僕が一緒に説明します」
航平は温かいお茶を小夜の手元に置くと、不器用ながらもまっすぐな言葉で彼女の仕事を全面的に肯定した。
「航平……さん……」
いつも自分を冷静にいなしていた男が見せた、圧倒的な包容力と誠実な優しさ。小夜の胸の奥で、カチリと音がした。「こうげき」を仕掛けていたはずの小夜自身が、航平の真実の温もりに触れたことで、取り返しのつかないほど深い恋の沼に落ちてしまったのだ。

第三章:雨の日の密室と、逆転する主導権

季節は秋へと移り変わり、大きなプロジェクトの納品が終わった夜のことだった。
社外での打ち合わせを終えた二人だったが、突然の局地的な豪雨に見舞われ、駅近くの小さな喫茶店の雨宿りコーナーへと避難することになった。
雨音だけが静かに響く密室のような空間。濡れた服を拭いながら、小夜は珍しく静かにうつむいていた。
「小夜さん、風邪を引きますよ。このジャケットを羽織ってください」
航平が自分の上着を小夜の華奢な肩にかけてやると、小夜は上着の裾を強く握りしめ、消え入りそうな声で呟いた。
「ねえ……航平さん。私ね、もう疲れちゃった」
「え……?」
「ずっと……航平さんを困らせたくて、色んな『こうげき』をしてきたけど……全然効かないし。本当はね……私の方が、航平さんの優しさに撃ち抜かれて、限界だったんだよ……っ!」
小夜の大きな瞳から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれ落ちた。
「いつもからかってごめんなさい……。でも、もう好きになっちゃったから……『小悪魔』のフリなんて、これ以上できないよ……っ!」
小悪魔の仮面を投げ捨て、一人の傷つきやすく可憐な女性として本音を吐露する小夜。
その涙を見た瞬間、航平の中で長年築き上げてきた「理性の防波堤」は跡形もなく崩壊した。
航平は静かに歩み寄ると、震える小夜の華奢な両肩を掴み、逃がさないように力強く自分の方へと引き寄せて抱きしめた。
「あ……航平さん……っ!?」
冷え切った雨の夜、二人のお互いを求める熱い体温がダイレクトに交錯する。服越しに伝わるお互いの早鐘のような心臓の鼓動と、密室で重なり合う激しい息遣い。
「小夜さん……君の『こうげき』が効いていなかったとでも思っていたんですか?」
「え……?」
航平は小夜の耳元で、これまで見せたことのない情熱的で低い声で囁いた。
「僕は毎日、君に翻弄されて、おかしくなりそうだった。……平気なフリをするのが、どれだけ大変だったか。一人の男として、君を愛しています」

第四章:解けた仕掛けと、真実の約束

航平のまっすぐで力強い告白を聞いた小夜は、溢れる涙を彼の胸元になすりつけるようにして、背中に深く腕を回して抱き返した。
「本当……!? 嘘じゃないよね……っ! 私の『こうげき』……ちゃんと届いてたんだ……っ!」
「ああ、完全に僕の負けですよ、小夜」
お互いの体温と情熱を確かめ合う時間。小悪魔の戯れから始まった恋の駆け引きは、お互いの素顔を受け入れ合う「真実の愛」へと完全に昇華したのだった。
翌朝。
雨は上がり、雲の隙間から澄み渡る美しい秋の太陽の光が街並みを照らしていた。
出社途中の並木道で、二人はしっかりと指を絡め合わせる「恋人繋ぎ」で手を繋いで歩いていた。
「航平さ〜ん、これからは『小悪魔ちゃんのこうげき』じゃなくて、『彼女ちゃんのあまやかし』が始まるからね! 覚悟してよ〜?」
小夜はかつての小悪魔的な笑みではなく、世界で一番甘く可憐な、本物の笑顔を咲かせた。
「手厳しそうですね。……でも、喜んで受け止めますよ」
照れくさそうに微笑み合う二人。
不器用なエンジニアと破天荒な小悪魔が織りなす甘い恋のアプローチは、解けることのない強固な絆とともに、どこまでも温かな未来へ向かって続いていくのだった。

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