『おもちかえりです』



『おもちかえりです』
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おもちかえりです
好きだから、貴方とずっと一緒にいたい。
そんな気持ちが溢れて止まらなくなったお姉さんたちと、甘くてとろけるような時間を過ごすラブストーリー。
櫻井マキです。いつもちょっと恥ずかしいくらいむっつりな私ですが、今回は思い切って4冊目の単行本を出しました。やっと手に取ってもらえると思うと、今からドキドキしています。
収録されているのは、全部で8つのお話。
まずは同僚の彼と、最初は「今日だけね」って約束したのに、気づいたら朝まで離れられなくなっちゃった話。
会社を出て、居酒屋を少しだけハシゴして、ほろ酔いのままホテルへ。ベッドに並んで座った瞬間、ずっと我慢してた気持ちが溢れて、キスから先が止まらなくなって……。翌朝、目覚めたらまた抱きしめられて「おかわりしてもいい?」って囁かれて、結局その日も会社を遅刻しちゃった。あの時の彼の照れた笑顔、今でも思い出すだけで胸が熱くなります。
次は、子どもの頃から大好きだった年上の幼馴染と、久しぶりに帰省した温泉旅館で再会した話。
湯けむりの中で偶然会って、昔話に花が咲いて、気づけば隣の部屋に泊まることになって……。湯上がりで火照った体を寄せ合って、ようやく伝えられた「昔から好きだった」。その夜は、ゆっくり、丁寧に、何度も何度も名前を呼びながら、ずっと抱きしめ合ってた。朝、布団の中でまた目が合って、恥ずかしいけど幸せすぎて泣きそうになった。
それから、遠距離の彼を待つ寂しがり屋の彼女の話。
夜、一人でベッドに潜り込んで、彼からもらったシャツの匂いを嗅ぎながら、どうしようもなく恋しくなっちゃって……。電話の向こうで「今、何してる?」って聞かれて、素直に「貴方のことを想って、触ってる」って言ったら、息が荒くなって、それだけで一緒に達しちゃった。翌朝、彼から「今すぐ会いに行く」って連絡がきて、本当に新幹線に乗って駆けつけてくれた。あの時のぎゅっと抱きしめられた感覚、忘れられない。
あとは、大学で保健室の先生に片想いしてた子の、初めての話。
風邪を引いたふりして保健室に通ってたけど、ある雨の放課後、先生に「もうバレてるよ」って優しく笑われて、勢いで告白したら「俺も、ずっと気になってた」って返ってきて……。カーテンを閉めた保健室で、緊張で震える私を優しく抱きしめてくれて、ゆっくり時間をかけて教えてくれた。痛がらないように、何度も「大丈夫?」って聞いてくれて、最後は「大好きだよ」って耳元で囁かれて、幸せすぎて頭が真っ白になった。
他にも、酔った勢いで先輩の家に転がり込んだ夜の話とか、
同窓会で再会したクラスメイトと昔の約束を果たす話とか、
全部、大切な人とやっと触れ合えた瞬間が詰まっています。
どの子も、好きすぎて胸が痛くなるくらい想いを募らせて、
やっと結ばれた時の「ああ、これでずっと一緒にいられる」って安心感が、
私の一番書きたかった気持ちなんです。
そしてデジタル特装版には、特別に描き下ろした「お風呂で2度目の初恋を -after-」を10ページ丸ごと収録しています。
前に本編で温泉で結ばれた二人。あの夜の続きで、今度は自宅のお風呂で……。
湯船の中で向き合って、恥ずかしいけど我慢できなくなって、
お互いを確かめ合うように何度も何度も抱きしめ合っちゃう話です。
最後は湯気に包まれたまま「ずっと、離さないからね」って約束して、
幸せすぎて泣きながらキスした、あのシーンが私のお気に入りです。
……ちょっと長くなっちゃったけど、
こんな気持ちで描いた本です。
好きで、好きで、たまらなくて。
やっと貴方に触れられた時の、あの甘くて熱い時間。
そんな幸せを、少しでも感じてもらえたら嬉しいな。
お手に取って、ゆっくり味わってもらえたら、
作者としてこれ以上嬉しいことはありません。

