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▶【新刊】「女スパイ辱 復讐の触手」藤鉄はるよ

「女スパイ辱 復讐の触手」

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「女スパイ辱 復讐の触手」

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数々の企業不正を暴き、闇に蠢く悪人たちから「夜の悪魔」と恐れられる女スパイ、高坂レイラ。彼女は鋭い頭脳と鋼の精神、そして華麗な戦闘技術を武器に、どんな危険な任務も完璧に遂行してきた。だが、今回の任務は、彼女のキャリアの中でも最も危険なものになる予感があった。

レイラが受け取った情報は、ある秘密研究所で極めて危険な製品が開発されているというものだった。その製品は、生物兵器とも新型の制御装置とも噂されるが、詳細は一切不明。情報源は「極秘」とだけ記し、研究所の所在地と潜入の必要性を伝えてきた。レイラは、いつものように冷静に状況を分析し、単身での潜入を決意する。彼女のポリシーはシンプルだ。「真実を暴くためなら、どんなリスクも冒す」。黒いレザーの戦闘スーツに身を包み、最新鋭のガジェットを装備したレイラは、夜の闇に紛れて研究所へと向かった。

研究所は、都会の喧騒から遠く離れた山奥にひっそりと佇む、鉄壁の要塞のような施設だった。セキュリティは異常なまでに厳重で、監視カメラと武装した警備員が敷地を隙なく守っている。だが、レイラにとってそんな障害は朝飯前だ。彼女は暗視ゴーグルを装着し、音もなくフェンスをよじ登り、監視の死角を突いて内部へ侵入した。研究所の内部は、冷たく無機質な金属の回廊が続く迷宮のようだった。空気には消毒液の匂いが漂い、不気味な静寂が支配している。レイラの心臓は高鳴りながらも、彼女の動きは一切の迷いがない。

しかし、核心部にたどり着いた瞬間、レイラの鋭い直感が危険を告げた。暗闇の中から、不気味な笑い声が響く。「やっと会えたぜ、レイラちゃん」。その声は、彼女の過去を抉るような、忘れられないものだった。姿を現したのは、かつてレイラが自らの手で逮捕し、刑務所送りにした凶悪な犯罪者、蛸井だった。禿げ上がった頭に脂ぎった笑みを浮かべ、異様に長い腕を揺らしながら、蛸井はレイラを見つめる。その目は、復讐の炎で燃えていた。

「どうやってここに?」レイラの声は鋭く、しかし内心では動揺が広がっていた。蛸井は、彼女が数年前に摘発した巨大な犯罪組織の一員だった。レイラの潜入捜査によって組織は壊滅し、蛸井は終身刑を言い渡されたはずだ。それがなぜ、この研究所にいるのか? 疑問が頭を駆け巡る中、蛸井が不気味に笑う。「お前のおかげで俺の人生はめちゃくちゃだ。だが、運が良かった。この研究所が俺を拾ってくれたのさ。そして、お前を捕まえるための最高の舞台を用意してくれた」

次の瞬間、床から無数の機械触手が飛び出し、レイラの四肢を絡めとった。彼女は素早くナイフを抜き、触手を切り裂こうとしたが、その動きは驚くほど俊敏で、まるで生き物のようにレイラを翻弄する。金属と有機物の融合したような触手は、彼女の動きを完全に封じ込め、拘束した。「こんないい女をこんな風に捕まえられるなんて、最高の復讐だな」と蛸井は舌なめずりをする。その声には、欲望と憎悪が混ざり合っていた。

触手は、レイラの戦闘スーツを這うように動き、彼女の自由を奪っていく。だが、レイラの目は決して怯まなかった。「こんな奴に絶対に屈しない」と、彼女は心の中で誓う。蛸井の復讐劇は、単なる個人的な恨みを超え、背後に潜む巨大な陰謀の一部であることを、レイラは本能的に感じ取っていた。この研究所の目的、蛸井の再登場、そしてこの異常な触手の技術――すべてが繋がっている。彼女は、身体を締め付ける触手の圧力に耐えながら、頭脳をフル回転させる。脱出の糸口は必ずある。彼女はこれまで幾多の危機を乗り越えてきたのだ。

蛸井が一歩近づき、レイラの顎を掴んで顔を上げさせる。「さあ、楽しませてくれよ、レイラ。お前のその気高いプライドが、どこまで持つか見ものだ」。だが、レイラの唇には薄い笑みが浮かんだ。「蛸井、覚えておけ。私のプライドは、お前なんかに壊せるものじゃない」。その言葉に、蛸井の顔が一瞬歪む。次の瞬間、レイラは拘束された腕に力を込め、触手の隙間を突いて小型のEMPデバイスを起動させた。研究所全体が一瞬暗闇に包まれ、触手の動きが止まる。

レイラは自由を取り戻し、蛸井に向かって跳びかかる。復讐の舞台は一転、彼女の反撃の場へと変わった。だが、背後では新たな触手が蠢き始め、研究所の奥から不気味な機械音が響き始める。この戦いは、まだ始まったばかりだった。