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「寝取ラレンサ2」

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Webメディア会社「ネクストビジョン」で辣腕を振るう黒木ゆりかは、産休明けの復帰を目前に控え、自身のポジションを死守すべく水面下で奔走していた。出産前は編集長として辣腕を揮っていた彼女だが、業界の風向きは速く、空白の数ヶ月で若手が台頭し、社内の空気は微妙に変わっていた。ゆりかはメールのやり取りやランチミーティングを重ね、信頼できる部下や同僚に根回しを進めていく。産休中のプロジェクトの進捗を逐一確認し、復帰後の役割を明確に定義づけるための布石を打つ。彼女の頭の中は、キャリアの継続と家族の両立という複雑な方程式で埋め尽くされていた。

最大の関門は、経営陣に近い室井専務の承認だった。室井は保守的で、女性の長期休暇後の復帰に懐疑的な視線を投げかける人物だ。ゆりかは彼のスケジュールを慎重に探り、ようやく一対一の面談の機会を掴む。直接オフィスで話すのはリスクが高いと判断し、彼女は室井を銀座の隠れ家的なバーに誘った。薄暗い照明の下、ジャズの調べが流れる店内。グラスに注がれたウイスキーが琥珀色に輝く中、ゆりかは産休中の学びや復帰後のビジョンを熱く語る。室井は最初、腕を組みながら聞いていたが、徐々に表情を和らげていく。そして、意外な提案を口にした。「君の情熱は認める。だが、編集長の席はもう埋まりかけている。代わりに、新設するデジタル戦略室の室長としてどうだ? そこなら君の経験が活きるし、柔軟な働き方も認めよう」。ゆりかは一瞬言葉を失う。これは昇進か、それとも左遷か。室井の目は本気だったが、その裏に何らかの思惑が潜んでいる気配がした。彼女はグラスを傾けながら、即答を避け、熟考の時間を稼ぐ。バーの外に出た夜風が、彼女の頰を冷たく撫でた。

一方、ゆりかの夫であるゆうとは、広告代理店勤務の傍ら、偶然の出会いからみおという女性と親しくなっていた。みおはフリーランスのグラフィックデザイナーで、ゆうとの仕事の打ち合わせがきっかけだった。二人はすぐに意気投合し、身体の相性が抜群であることに気づく。ゆうとは妻の産休中、孤独とストレスを抱えていた。みおの明るい笑顔と、互いの欲求を素直にぶつけ合う関係に、いつしか深くのめり込んでいく。最初は軽い逢瀬だったが、回を重ねるごとに心まで奪われていく。みおのマンションで過ごす夜は、日常のすべてを忘れさせる甘美な時間だった。ゆうとは罪悪感に苛まれながらも、この泥沼のような関係を断ち切れずにいた。

ある日、みおから「お願いがあるの」と切り出される。それは、ゆうとの人生をさらに複雑に絡め取るものだった。みおはゆうとの子どもを望んでおり、関係を清算する代わりに、その願いを叶えてほしいと言う。ゆうとは動揺する。妻への裏切りをこれ以上深めるわけにはいかないが、みおの瞳に宿る切実さと、身体が求める衝動に抗えない。ココロとカラダの両方を握られたゆうとは、ついにそのお願いを聞き入れる決断をする。外泊を装い、みおの元へ向かう夜道で、彼の胸には後悔と興奮が交錯していた。

ゆりかの社内根回しと室井の提案が交差し、ゆうとの不倫が新たな局面を迎える中、二人の夫婦関係は知らず知らずのうちに崩壊の淵へと近づいていく。キャリアと家庭、忠誠と欲望の狭間で、物語はさらに深みを増していく。