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【感想】漫画「処女の微熱」百済児廿日先生の才能が存分に発揮された一冊。純愛とエロスのバランスが絶妙で、どのエピソードもキャラクターの感情が生き生きと描かれる。

はじめに

百済児廿日(くだらじはつか)の初単行本『処女の微熱』がFANZAブックスで好評発売中!全7編の濃厚な純愛ストーリーと、デジタル特装版限定の12ページスピンオフ漫画が織りなす、思春期の甘酸っぱさとエロティックな魅力に迫ります。この記事では、作品の魅力や各エピソードの特徴をたっぷり紹介。純愛コミック好きなら必見の一冊です!

百済児廿日の鮮烈なデビュー

百済児廿日は『COMIC快楽天』で活躍する新進気鋭の作家。その初単行本となる『処女の微熱』は、純愛とエロスを絶妙にブレンドした作品集だ。デビュー作『処女の微熱は陽熱至極。』シリーズを中心に、恋する少女たちの可愛らしさと卑猥さを描き切る。どのエピソードも、キャラクターの感情が丁寧に描かれ、読者の心を掴んで離さない。オビの「恋するオトメの可愛さバクハツ♪」というフレーズが、まさにこの作品の魅力を象徴している。
デジタル特装版には、12ページのスピンオフ漫画『処女の微熱 〜猛暑〜』が収録。表題作の主人公たちが夏の海辺でイチャラブを繰り広げる、ファンにはたまらないボーナスコンテンツだ。全体で160ページを超えるボリュームも、読み応え十分!
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『処女の微熱は陽熱至極。』:純愛の熱量が炸裂

表題作『処女の微熱は陽熱至極。』とその後日談『〜処暑〜』は、本書の核となるエピソード。学園の才女・古湊小雪(こみなとこゆき)と、カースト最下層の少年・菅原満(すがわらみつる)の恋物語が描かれる。小雪の水着姿に心奪われる菅原だが、トイレで自慰行為を終えた帰り道、男子更衣室でオナニーする小雪を目撃!互いに秘めた想いがあった二人が、勢いのままに変態的な性春へと突き進む。
このエピソードの魅力は、両者の「微熱」が「陽熱」へと高まる過程だ。小雪の「あったかくてぽかぽかして…とってもしあわせです♪」というセリフは、彼女の純粋さとエロティックな一面を象徴。百済児廿日の描く女の子は、ウブでありながら大胆で、そのギャップが読者を虜にする。菅原の情けない姿も愛嬌があり、共感を誘う。スピンオフ『〜猛暑〜』では、二人の関係がさらに深まり、浜辺でのイチャラブが甘くも刺激的に描かれる。

『禁書庫の夢魔』:ドS司書ちゃんの誘惑

『禁書庫の夢魔』は、図書館を舞台にしたエピソード。強面の男子学生・佐久間が、ドSな司書ちゃんに翻弄される物語だ。佐久間が愛読する「ドスケベな純文学」をきっかけに、司書ちゃんの秘密の蔵書部屋へ誘われる展開は、まるで官能小説のよう。彼女の「先輩はどんな聲で…鳴いてくれるんでしょうか♪」というセリフにゾクゾクさせられる。
この話のポイントは、司書ちゃんの小悪魔的な魅力と、佐久間の純情な反応のコントラスト。百済児廿日の描くヒロインは、ただ可愛いだけでなく、どこかミステリアスで積極的。佐久間の心の揺れが丁寧に描かれ、読者は彼の視点でドキドキを共有できる。図書館という閉鎖空間が、エロスとロマンスをさらに引き立てている。

『兎角浮世はママならぬ。』:甘やかしと家族の絆

『兎角浮世はママならぬ。』は、棋士・小鳥遊と妹弟子・雲雀ちゃんの物語。落ち込む小鳥遊を、雲雀ちゃんが「究極甘やかしモード」で癒す展開が心温まる。彼女の「まちにぃのいい所もだめな所もぜーんぶまとめてあいしてあげるから…♪」という言葉は、純愛の極致とも言える。雲雀ちゃんのバブみ溢れるキャラクター性が、読者に強烈な印象を残す。
このエピソードは、単なるエロスにとどまらず、精神的な結びつきや癒しのテーマが深い。雲雀ちゃんの甘やかしは、時にメスガキ的な要素も含みつつ、どこか母性的。百済児廿日のキャラクター造形の巧みさが光る一編だ。

『苺のクリシェに小夜曲を。』:初恋の焦燥感

『苺のクリシェに小夜曲を。』は、楽器店で働くアツコの初恋物語。親友が初体験を済ませたことに焦りつつ、好きな人との「はじめて」を夢見るアツコの心情が丁寧に描かれる。彼女の「はじめてスキになった人と…えっち、したい」という言葉には、思春期特有の純粋さと切実さが詰まっている。
この話は、恋愛における「初めて」の重みを掘り下げ、読者に共感を呼び起こす。アツコの葛藤や成長が、エロティックなシーンとバランスよく融合。百済児廿日の描く女の子の表情は、感情の機微を捉え、読者の心に響く。

『露凝りて白色』:傷を癒す性春

『露凝りて白色』は、挫折を経験した健介と紗花が、放課後の教室で秘密の関係を築く物語。「今ね…入れただけでイっちゃった♪」という紗花のセリフは、彼女の奔放さと脆さを表す。二人が互いの傷を舐め合うようにえっちを重ねる中で、特別な絆が生まれる過程が感動的だ。
このエピソードは、エロスを通じて心の救済を描く。百済児廿日のストーリーテリングは、単なる肉体的な描写を超え、キャラクターの内面に迫る。教室という日常的な空間が、非日常的な親密さの舞台となる点も秀逸。

『三叉路から向こう側』:禁断の愛の深み

『三叉路から向こう側』は、兄・あきと妹・遥香の禁断の恋を描く。塾帰りの送迎をきっかけに、互いの想いが溢れ出す展開は、切なくも美しい。遥香の涙と「あきちゃんのこと考えて…してたよ」という告白が、読者の心を強く揺さぶる。寒い車内での熱いシーンは、禁忌ゆえの情熱を際立たせる。
この話は、倫理的な葛藤と純粋な愛情のせめぎ合いを丁寧に描き、読者に深い余韻を残す。百済児廿日の描く禁断の愛は、決して単なる刺激ではなく、キャラクターの人間性を掘り下げるものだ。

総評:可愛さとエロスの極上ブレンド

『処女の微熱』は、百済児廿日の才能が存分に発揮された一冊。純愛とエロスのバランスが絶妙で、どのエピソードもキャラクターの感情が生き生きと描かれる。ヒロインたちのウブで大胆な魅力、情けないけど愛らしい男子たちの姿が、読者に笑顔とドキドキを届ける。デジタル特装版のスピンオフも、ファン心をくすぐる嬉しい追加要素だ。
特に、百済児廿日の描く女の子の表情とセリフは秀逸。純粋さとエロティシズムが共存する彼女たちの姿は、読むたびに新たな発見がある。アダルトコミックながら、恋愛の普遍的なテーマを丁寧に扱い、幅広い読者に訴えかける力がある。
FANZAブックスで購入可能なこの作品、純愛コミック好きなら絶対にチェックすべき!百済児廿日の次回作にも期待が高まる、2025年春の注目作だ。