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「【悲報】俺の飲み友、ヤリ友に変わる」

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「【悲報】俺の飲み友、ヤリ友に変わる」

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【悲報】俺の飲み友、ヤリ友に変わる

一人以上、恋人未満。

そんな曖昧な距離が、一番心地よかった。

毎週金曜の夜、高円寺のいつもの居酒屋でやってる「高円寺会」って飲み会があった。最初は会社帰りの同僚とか、誰かの友達とかで10人近く集まってたんだけど、気づいたら人が減っていって、最終的に残ったのは俺と、伊波さんだけ。

俺、30歳の普通のサラリーマン。

伊波さんは大学4年生、21歳。小麦色の肌で、ちょっとスポーツやってたって言うだけあって体がしっかりしてる。肩幅もあって、腕も太ももも肉がついてて、でもだらしないんじゃなくて、むしろ健康的で、なんというか……生き物として完成されてる感じがした。笑うと歯が白くて、声は低めで、酔うとさらにハスキーになる。

最初は本当に、ただの飲み友だった。

人が減って二人だけになっても、彼女は「来週も来ます?」って普通に聞いてくるから、俺も「来るよ」って答えてた。別に下心があったわけじゃない……いや、あったかもしれないけど、10歳も離れてるし、向こうにはもっと若い男がいくらでもいるだろうと思ってたから、深入りはしないようにしてた。せいぜい、酔った彼女を新宿まで送って、終電に押し込んで、「気をつけてな」って言うのが関の山。それで満足してた。

でも、伊波さんは酔うと別人になる。

普段はおとなしくて、こっちの話もちゃんと聞いてくれる優しい子なのに、酒が入ると急に声がでかくなって、距離感がおかしくなる。肩に手を置いてきたり、膝が当たったり、しまいには「先輩って、ほんと優しいですよね……」とか言いながら、俺の腕に顔をうずめてくることもあった。当然、心臓はバクバクする。でも「大学生だし、酔ってるだけだろ」って自分に言い聞かせて、なんとか理性を保ってた。

それが、三ヶ月前くらいの話。

ある金曜、いつものように二人で飲んでた。

その日は彼女、バイトでなんかムカつくことがあったらしくて、いつもより早くベロベロになってた。俺も少し調子に乗って飲んでたから、気づいたら店を出る時間が終電ギリギリ。駅まで歩きながら、彼女が急に「もう歩けない……」って座り込んだ。しゃがんだ拍子に、スカートが少しめくれて太ももが見えたけど、俺は慌てて目を逸らした。

「ホテル……ちょっと休みたい」

そう言ったとき、彼女の目は完全にトロンとしてた。

俺は一瞬、頭が真っ白になった。

理性と本能が「やめとけ」「行けよ」って喧嘩してた。でも結局、彼女の腕を掴んで、駅前のラブホに連れて行った。エレベーターに乗った瞬間、彼女が俺の胸に顔を押しつけてきて、「先輩、あったかい……」って呟いた。あのときの体温と、シャンプーの匂いが、今でも忘れられない。

部屋に入って、ベッドに座らせたら、彼女が自分からキスしてきた。

酔ってるのはわかってた。でも、もう止められなかった。彼女の手が俺の背中に回って、ぎゅっと掴まれた瞬間、飲み友だった関係が音を立てて崩れた気がした。

それから、三ヶ月。

今じゃ金曜の飲み会のあと、終電を逃すのが当たり前になってる。

「また来週ね」って別れるとき、彼女はちょっと寂しそうな顔をするけど、次の日には普通にLINEが来る。「昨日はごめんね」「楽しかったね」って。

俺たちは恋人じゃない。

付き合ってるって言わないし、手も繋がない。外では「先輩」「伊波さん」って呼び合ってる。でも、週に一度、酒の力を借りて、体の距離だけはゼロになる。

飲み友だった子が、ヤリ友になった。

それが悲報なのか朗報なのか、自分でもよくわからないまま、今日も金曜がやってくる。