「ヒトヅマイスター!」



「ヒトヅマイスター!」
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ヒトヅマイスター!
錬金術の研究を本格的に進めるために、俺は小さな町へ引っ越してきた。古い文献に載っていた希少な素材がこの辺りに眠っているらしいんだ。荷物をほどいて、ようやく落ち着いたある夕方、近所の酒場で一杯やろうと出かけた。そこで出会ったのが、ムニエットだった。
彼女はカウンターの端っこに座って、静かにグラスを傾けていた。長い銀色の髪が肩に流れ落ちて、耳が少し尖ってるのが目に入った。エルフの血筋かな、と思ったけど、それだけじゃなかった。瞳が深い紫色で、時折妖しく光るんだ。話しかけてみたら、意外と気さくでさ。俺の研究の話を聞いて、興味津々って感じで目を輝かせてきた。
「錬金術かあ。面白いね。私も昔、薬草の調合とかやってたよ」
そんな会話から、すぐに意気投合した。ムニエットは町の外れにある小さな家に住んでいて、旦那さんは旅の商人で、半年に一度しか帰ってこないんだって。彼女自身はエルフとサキュバスのハーフだって、ぽろっと明かした。サキュバス? 俺は本でしか知らなかったけど、欲求を糧にする種族だよな。でも彼女はそんなこと微塵も感じさせない、穏やかな笑顔だった。
それから数日後、俺の家にムニエットが訪ねてきた。なんか顔色が悪いんだ。「実はね、おねーさんってエルフとサキュバスのハーフでね? 最近、なんか体が熱くて……」って、ためらいがちに切り出した。彼女の瞳がいつもより強く輝いてて、部屋の空気が重たく感じる。俺は錬金術師として、症状を分析しようとしたけど、彼女の体から溢れ出す不思議な力が、俺の心をざわつかせた。
「正直に言うとおねーさんもこんなことは初めてで――」
ムニエットは頰を赤らめて、言葉を続けた。彼女は自分でも気づかなかった「欲求不満」が溜まっていて、それがサキュバスの血を暴走させているらしい。エルフの長寿とサキュバスの本能が混ざって、普段は抑え込めていたのに、旦那さんの不在が長引くせいで限界が来てるんだと。しかも、その力はなぜか俺だけを狙ってる。彼女の周りの人たちは平気なのに、俺が近づくと彼女の体が震えて、甘い吐息が漏れるんだ。
「あなたにしか、効かないみたい……。抑えるには、この欲求を満たさないと……」
彼女の声が震えてた。俺は慌てて、錬金術の知識を総動員した。ポーションで抑えられるかも、と思ったけど、彼女の力は強すぎて、普通の薬じゃ効かない。結局、根本的な解決は「欲求不満」を解消するしかないらしい。でも、ムニエットは人妻だ。旦那さんがいる身。俺が手を出すなんて、道徳的にアウトだよな。彼女のためとはいえ、軽々しく触れるわけにはいかない。
……だったら、こっそりやればいいよね!!
そう決めたのは、翌日の夜だった。ムニエットがまた俺の家に来て、苦しそうに体をよじらせてる。彼女の銀髪が乱れて、尖った耳がピクピク動く。俺はドアをしっかり閉めて、カーテンを引いた。誰にも見られないように。彼女は恥ずかしそうに目を伏せてたけど、拒否はしなかった。むしろ、俺の手をそっと握ってきたんだ。
最初は優しく、彼女の肩を抱くところから始めた。ムニエットの体は熱くて、柔らかかった。エルフのしなやかさと、サキュバスの魅力が混ざって、触れるだけで俺の理性が揺らぐ。彼女の吐息が耳元で聞こえて、「もっと……」って小さな声が漏れた。俺は彼女の首筋に顔を寄せて、ゆっくりと息を吹きかけた。彼女の体がびくっと反応して、力が少し弱まるのがわかった。
部屋は薄暗くして、蝋燭の灯りだけ。外の虫の声が遠く聞こえる中、俺たちは静かに進めていった。ムニエットの指が俺の背中を這って、爪が軽く食い込む。痛いけど、それが心地いい。彼女の瞳が紫に輝いて、俺を誘うように見つめてくる。俺は彼女の唇に自分のを重ねた。柔らかくて、甘い味がした。キスを深くするたび、彼女の体から溢れる力が収まっていく。
「これで、いいの……?」
ムニエットが囁く。俺は頷いて、彼女の服を一枚ずつ脱がせていった。肌が白くて、触れるたびに熱が伝わる。彼女の胸に手を当てると、心臓の鼓動が速い。俺も同じだ。彼女の腰を抱き寄せて、ベッドに導いた。シーツが少し乱れて、俺たちの影が壁に揺れる。
夜が更けても、俺たちは止まらなかった。ムニエットの体が俺に絡みついて、欲求をぶつけてくる。俺はそれを受け止めて、優しく応えた。彼女の耳を甘く噛むと、彼女が小さく声を上げた。サキュバスの本能が目覚めて、俺を強く求める。俺の体も熱くなって、理性が飛ぶ寸前。でも、こっそりだから、声は抑えて。彼女の唇を塞ぐようにキスを繰り返した。
何度も何度も、体を重ねた。ムニエットの銀髪が俺の胸に広がって、彼女の息が荒くなる。力が暴走しそうになるたび、俺は彼女を抱きしめて落ち着かせた。汗が混ざって、部屋に甘い匂いが充満する。彼女の尖った耳が俺の頰に触れて、くすぐったい。エルフの血が彼女を長く保つのか、夜通し続いた。
朝方が近づいて、ようやくムニエットの瞳の輝きが穏やかになった。彼女は俺の胸に頭を預けて、満足げに微笑んだ。「ありがとう……。これで、暴走は止まったよ」って。俺は彼女の髪を撫でて、頷いた。でも、心の中で思う。旦那さんが帰ってきたら、どうするんだろうな。でも今は、こっそり続ければいい。彼女の欲求がまた溜まる前に。
それから、俺たちの秘密の時間は続いた。町の人たちには、ただの隣人同士。酒場で会えば、普通に話す。でも夜になると、俺の家か彼女の家で、こっそり。ムニエットの体は毎回、俺を強く求める。サキュバスの力が俺だけに集中するせいか、俺もどんどん彼女に惹かれていく。錬金術の研究? それはそれで進めてるけど、こっちの「研究」も大事だ。
ある雨の夜、ムニエットが濡れた体で俺の家に駆け込んできた。服が張り付いて、曲線がくっきり。俺はタオルで拭いてやりながら、また始まった。雷が鳴る中、彼女の体が震える。俺は彼女を温めて、欲求を満たした。彼女の声が雨音に紛れて、甘く響く。
ムニエットは時折、罪悪感を漏らす。「旦那さんに悪いよね……」って。でも、俺が抱きしめると、すぐに溶ける。ハーフの体は、欲求を抑えきれないんだ。俺はそれを利用して、こっそり楽しむ。彼女の尖った耳を指でなぞると、いつも敏感に反応する。紫の瞳が潤んで、俺を求める。
町の祭りの日、みんなが騒ぐ中、俺たちは裏路地で。短い時間だけど、激しく。彼女の唇が俺の首に触れて、力が一気に収まる。祭りの花火が上がる頃、俺たちは息を整えてた。
こうして、俺の町での生活は変わった。錬金術の傍ら、ムニエットの「ヒトヅマ」として。こっそり、だけど濃厚に。彼女の欲求不満が俺のものになる限り、暴走は防げる。旦那さんが帰る日が来るまで、俺は彼女の秘密の相手だ。

