PR

▶【新刊】「びばビッチ!」子豚の館

「びばビッチ!」

▶ 無料サンプルはこちら

 

 

 

 

 

「びばビッチ!」

▶ 続きはこちら

 

 

 

 

 

 

 

====================================

びばビッチ!

なぜだ? 俺なんかに……どうしてあんな明るい女性が? 悩める女性たちを、優しい触れ合いで救済! フルカラーコミック105ページ!!

■ストーリー

死人のように日々を過ごしてきた三十歳手前の無職男性、葛本。

人知れず奔放な一面を抱える看護師見習い、きらら(二十歳)。

葛本が海で溺れかけたことをきっかけに、 正反対の二人が出会ってしまう。

「魅力なんて、ないですよ……俺には」 「俺みたいな……底辺には……!」

「そっか……自分のことなのに、分からないんだね」 「知らないんだ」

何気ない会話から、始まる。

めくるめく 女性たちの世界

狂宴が、今……!!

葛本は三十歳を目前にした無職の男だった。毎日、狭いアパートの部屋に閉じこもり、窓から差し込む薄い光をぼんやりと眺めるだけの日々。仕事を探す気力もなく、友人とも縁が切れ、家族からの仕送りでかろうじて食いつないでいる。鏡に映る自分の姿は、くすんだ目と無精ひげ、肩を落とした猫背。生きている実感など、とうに失っていた。

そんなある夏の日、葛本は珍しく外出した。海辺の町へやってきたのは、ただの気まぐれだった。波の音を聞きながら、砂浜に座って空を眺めているうちに、潮の満ち引きに気づかず足を取られた。冷たい海水が体を飲み込み、息が詰まる。意識が遠のく中、必死に手を伸ばした。

次に目を開けたとき、そこは救護テントの中だった。白い制服を着た若い女性が、葛本の顔を覗き込んでいた。彼女の名はきらら。二十歳の看護師見習いで、明るい金色の髪をポニーテールにまとめ、大きな瞳が印象的だった。日焼けした肌と、笑顔の裏に隠れた何か――それは、葛本が知らない世界の匂いを感じさせた。

「大丈夫? もう意識戻ったみたいね。無理しないでゆっくり休んで」

きららの声は優しく、しかしどこか弾むような響きがあった。葛本は戸惑いながら体を起こし、ぼそぼそと礼を言った。彼女はテントの外で待機していた救急隊員に状況を報告し、再び葛本の傍らに戻ってきた。

「あなた、ひとりで海に来てたの? 危なかったわよ。もっと注意しないと」

葛本は首を振った。「すみません……俺みたいなのが生きてる価値なんて……」

その言葉に、きららは少し目を細めた。彼女自身も、表向きは真面目な看護師見習いとして働いているが、心の奥底では抑えきれない衝動を抱えていた。仕事のストレス、日常の退屈さ、そして自分を理解してくれない周囲の人々。夜になると、街のネオンに紛れて、知らない誰かと触れ合うことでしか、心の渇きを癒せない日々を送っていた。だが、そんな自分を「隠れ家」のような存在だと自嘲気味に思っていた。

二人はテントの中で少し話をした。葛本は自分の惨めな人生をぽつぽつと吐露した。仕事がない、友人いない、将来の夢なんてない。きららは黙って聞き、時折うなずくだけだった。

「魅力なんて、ないですよ……俺には。誰も俺のことなんか見てくれない」

「俺みたいな……底辺には、幸せなんて似合わない!」

葛本の声は震えていた。きららは静かに手を伸ばし、葛本の肩に触れた。その感触は温かく、葛本の心に小さな波紋を広げた。

「そっか……自分のことなのに、分からないんだね。知らないんだ」

きららの言葉は穏やかだったが、そこには深い共感が込められていた。彼女もまた、自分自身の価値を見失いがちだった。看護師として患者を助ける喜びはあるものの、プライベートでは奔放な関係を繰り返す自分を、どこかで責めていた。だが、葛本の純粋な絶望を見て、何かが変わりそうな予感がした。

その出会いが、二人の人生を一変させるきっかけとなった。きららは葛本を自宅近くの病院まで連れて行き、簡単な診察を受けた後、連絡先を交換した。「何かあったら連絡してね。ひとりで抱え込まないで」そう言って別れたが、葛本の頭の中はきららの笑顔でいっぱいだった。

数日後、葛本は勇気を出してきららにメッセージを送った。感謝の言葉と、少しの相談事。きららはすぐに返信し、会う約束をした。カフェで再会した二人は、意外な共通点を見つけていく。葛本の内向的な性格ときららの外向的な明るさは正反対だったが、心の孤独は似ていた。

きららは自分の過去を少しずつ明かした。看護学校に入ったきっかけは、幼い頃に母を病気で失ったこと。患者を救う仕事にやりがいを感じる一方で、夜の街で出会う人々との触れ合いが、彼女の心を解放してくれる。だが、そんな生活がいつまで続くのか、不安も抱えていた。

「私も、時々自分を見失うの。明るく振る舞ってるけど、本当は怖いんだよ。誰も本当の私を知らないって」

葛本は驚いた。きららのような輝く女性が、そんな悩みを抱えているなんて。自分の悩みが小さく感じられ、初めて誰かを励ましたくなった。

やがて、二人はより深い関係になっていく。きららの紹介で、彼女の友人たち――同じく心に傷を抱える女性たち――と出会う。皆、二十歳以上の大人で、それぞれの人生を生きてきた。仕事に疲れたOL、夢を諦めかけたアーティスト、家庭のストレスに押しつぶされそうな主婦。彼女たちは表向きは普通だが、内面では渇望を抱えていた。

葛本は最初、戸惑った。自分みたいな男が、こんな美しい女性たちと関わるなんて。だが、きららの導きで、優しい会話と触れ合いを通じて、彼女たちの心を解きほぐしていく。言葉では伝えきれない想い、肌を寄せ合う温もり。それが、互いの孤独を埋め、救済となっていく。

めくるめく女性たちの世界は、葛本の知らなかった色に満ちていた。笑顔の裏の涙、強がりの向こうの弱さ。そして、触れ合うことで生まれる絆。葛本自身も変わっていった。無職の殻を破り、きららの影響で看護助手の仕事を探し始める。自信が芽生え、鏡に映る自分が少しずつ輝きを帯びる。

きららとの関係は深まり、互いを支え合うパートナーとなった。彼女の奔放な一面は、葛本の優しさで包み込まれ、穏やかなものに変わっていく。友人たちも、葛本の存在で心の平穏を見つけ、新たな一歩を踏み出す。

狂宴のような日々は、優しい光に満ちたものへと変わった。出会いの海辺から始まった物語は、誰もが自分を認め、愛される世界を描き出す。葛本は思う。なぜ、俺なんかに……どうしてあんな女性が? だが、今はわかる。それは、互いの心が求めていたからだ。

フルカラーで描かれる105ページのコミックは、細やかな表情と色彩で、二人の成長と女性たちの救済を鮮やかに表現。心温まる触れ合いと、深い絆の物語が、あなたを待っている。