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「シッターのバイトって聞いたんですけど!?」

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「シッターのバイトって聞いたんですけど!?」

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「ねえ、まい! シッターのバイトって聞いたんだけど、どんな感じ?」

ある日の放課後、私立星陽学園の3年生、まい(18歳)は、親友のみほ(18歳)に声をかけられた。みほの目は好奇心と少しのいたずらっぽさでキラキラ輝いている。まいが「え、シッター? 子どもたちの面倒を見るやつ?」と聞き返すと、みほはニヤリと笑って「まあ、そんな感じ! 簡単な仕事だよ、ちょっと手伝ってほしいだけ!」と軽い調子で答えた。まいには少し怪しい雰囲気も感じられたが、みほの勢いに押されて、放課後のバイトに付き合うことにした。

約束の場所は、閑静な住宅街にある一軒家の託児所。まいが到着すると、みほがすでに玄関で待っていて、手にはカラフルな紙袋が握られている。「はい、これ着て!」と渡されたのは、なぜかフリル付きのピンクのエプロンと、妙に凝ったデザインのワンピース。まいが「え、なにこれ? シッターってこんな制服着るの?」と戸惑うと、みほは「ほら、子どもたちに親しみやすい雰囲気を作るためだよ!」と笑いながら押し切った。まいも仕方なく着替えたが、鏡に映る自分の姿に「なんかテーマパークのキャストみたい…」と呟くしかなかった。

中に入ると、託児所は予想以上に賑やかだった。子どもたちが走り回り、笑い声や泣き声が響き合う。だが、どこか様子がおかしい。スタッフの説明を聞くうちに、まいとみほはこの託児所が「普通のシッター業務」とは少し違うことに気づき始めた。子どもたちの世話は、単に遊んだり食事を準備したりするだけでなく、彼らの「特別なリクエスト」に応えることも含まれていたのだ。例えば、子どもたちが突然「もっと面白い遊びを!」と要求したり、スタッフに細かい指示を出したりする様子に、まいはいちいち面食らった。「これ、シッターってレベルじゃないよね…?」とみほに耳打ちすると、みほも「うん、なんか予想以上に大変そう」と苦笑い。

それでも、二人は持ち前の明るさと責任感で、子どもたちの要求に応えていく。ある子は「絵本を10冊読んで!」とせがみ、別の子は「一緒にブロックで巨大なお城を作って!」と目を輝かせる。まいとみほは手分けして対応し、時には子どもたちに振り回されながらも、笑顔で一つひとつの課題をクリアしていった。みほは「まい、ほら、こうやって楽しませるのがコツだよ!」と、子どもたちと一緒に歌を歌いながら場を盛り上げる。一方、まいは几帳面にブロックを積み上げ、子どもたちから「すごい!」と拍手をもらって少し照れ笑い。

しかし、時間が経つにつれ、子どもたちのリクエストはますますエスカレート。ある子が「今度は全員で宝探しゲーム!」と提案し、託児所中を走り回る大騒動に発展。まいとみほは汗だくになりながら、隠された「お宝」を探し、子どもたちのテンションをなんとかコントロールしようと奮闘した。みほが「まい、こんなの聞いてなかったよね!?」と笑いながら叫ぶと、まいも「ほんと、みほに騙された気分!」と返すが、どこか楽しそうな雰囲気。二人の息の合ったチームワークが、騒がしい現場を少しずつまとめていく。

夕方になり、子どもたちが親に引き取られ、託児所が静かになると、まいとみほはソファにへたり込んだ。「いやー、疲れたけど、なんか楽しかったね」とみほが笑う。まいも「うん、でも次はちゃんと仕事内容聞いてから引き受けるよ!」と冗談めかして突っ込む。それでも、子どもたちの笑顔や、やり遂げた達成感が二人を満たしていた。この予想外のバイト体験は、まいとみほにとって、友情を深める一つの冒険となった。

果たして、次にみほが持ち込む「簡単なバイト」はどんなものになるのか? まいには少し不安がよぎるが、きっとまた一緒に笑い合えるはずだと、心のどこかで楽しみにしているのだった。