「夏のヤリなおし6」



「夏のヤリなおし6」
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眩しい光が水面を煌めかせ
空は果てしなく続く青い空
風に揺れる草木と真っ白な入道雲が織りなす夏の田舎
図体に反して引っ込み思案な「啓人(けいと)」
啓人を慕う幼馴染の妹「葵(あおい)」
早朝、田んぼを横目に田舎から都心へと出発する車
啓人と葵は都心の大学へと向かう
「オープンキャンパスって大学見学だよね?
「葵ちゃんももうすぐ大学生か〜」
「進学先を見ておきなさいってお母さんが」
「ふふっいつまでも昔のままじゃないんですよ先輩」
他愛もない会話、いつもと変わらない日常も
葵にとっては最後のチャンスでもあった
進学を決めれば上京し寮に入らなくてはいけない
それは家族だけでなく啓人との別れでもあった
帰路の道すがら
葵のアプローチはエスカレートしていく
いつもなら単純な先輩(啓人)はそこで
手を出して私を愛でてくれる
そうなるはずなのに今日は違った
啓人が取り出したのは1つの小さな箱に入った指輪
「水蓮姉さんに渡すつもりなんだ」

