『配信で稼ぎたい塩ギャルと陰キャの俺3』
プロローグ:成功のその先と、持ち上がった「海外進出」
動画制作の専門学校を卒業し、プロのWEBディレクターとして独立した神谷 陸(かみや りく)と、大人気動画配信者として一目置かれる存在となったクールな塩ギャル・星野 葵(ほしの あおい)。
公私ともに最高のパートナーとなった二人でしたが、シリーズ第3弾となる今作では、二人のチャンネルに過去最大級の巨大プロジェクトが舞い込みます。
それは、海外の大手配信プラットフォームからの招待を受け、アメリカ・ロサンゼルスでの大規模な海外ロケと現地イベントに出演するというものでした。
「世界規模で配信して、もっとガッツリ稼ぐよ。陸、ウチと一緒に世界を獲りに行こう」
画面の前では相変わらず素っ気ない塩対応を崩さない葵でしたが、二人きりの空間では陸の腕にギュッと抱きつき、期待と不安の入り混じった瞳で陸を見つめてくるのでした。
遭遇:異国の地での試練と、現れたライバルプロデューサー
ロサンゼルスに到着した二人を待っていたのは、煌びやかなエンターテインメントの世界と、現地の有名クリエイティブチームでした。
プロジェクトの総責任者として二人の前に現れたのは、数々のトップ配信者を育て上げた若き敏腕海外プロデューサー・エリック。
エリックは葵の圧倒的なビジュアルと「塩対応ギャル」というキャラクターを絶賛する一方で、裏方に徹する陸の編集手法に対し、容赦のない言葉を突きつけます。
「葵の魅力を世界に広めるには、もっと刺激的で派手な演出が必要だ。君のこじんまりとした日本の編集スタイルでは、世界の視聴者には響かない」
葵を世界のトップへ引き上げるため、エリックは最新鋭のスタッフチームを葵に与え、陸を制作の主担当から外し、単なるアシスタントへと降格させてしまったのです。
展開:巨大なエンタメの波と、遠ざかる二人の距離
洗練された海外の制作チームによって、葵のチャンネルは凄まじいクオリティでアップグレードされていきました。現地での配信は大反響を呼び、葵の名は瞬く間に世界中へ広まっていきます。
しかし、華やかな成功と引き換えに、二人の時間は急速に失われていきました。
分刻みのスケジュールと豪華なパーティーに追われる葵。一方、現場の端っこで機材の運搬や雑用に追われる陸。
「これでいいんだ……。葵さんが世界中で評価されるのが、プロデューサーとしての僕の夢だったはずだ」
自分の技術不足を痛感し、葵の輝かしい未来のために身を引こうと決意する陸。
しかし、豪華なホテルのスイートルームで一人になった葵の心は、孤独と焦燥感で押しつぶされそうになっていました。どんなに豪華なセットで喋っても、カメラの向こう側や画面の後ろに「陸の温かな眼差し」がない配信は、葵にとって砂を噛むように味気ないものだったのです。
試練:全米生配信の舞台裏と、届いたSOS
全米のファンが見守る巨大イベントでのメイン生配信当日。
豪華なステージの裏側で、葵はプレッシャーと陸とのすれ違いによる孤独から、突然過呼吸を起こして倒れてしまいます。
「ダメだ……陸がいないと、ウチ……何も喋れない……っ」
エリックや現地のスタッフたちが慌てふためく中、ステージ裏の雑用をしていた陸は、葵の危機を聞きつけて控え室へなりふり構わず駆け込みました。
「葵さんーーっ!!」
「陸……っ! どこ行ってたのよバカ……っ! ウチ、世界で一番稼ぎたいわけじゃない……陸と一緒に、楽しく配信がしたいだけなのに……っ!」
涙をぽろぽろとこぼし、陸の胸にすがりつく葵。冷たい塩ギャルの仮面は完全に剥がれ落ち、そこには陸を心から必要とする一人の愛おしい少女の素顔がありました。
転機:世界を魅了した「二人だけの世界」
「僕がバカだった……! 君の輝きに圧倒されて、一番大切な『僕たちの絆』から逃げてた!」
陸は葵の華奢な肩を両手で力強く掴み、真っ直ぐに彼女の濡れた瞳を見つめ返しました。
「エリックの演出がどれだけ凄くても、葵さんの可愛さを一番引き出せるのは、世界で僕しかいない! 葵さん、僕を信じてステージに立ってくれ!」
「うん……っ! 陸が隣にいてくれるなら、ウチ、なんだってできる!」
陸はエリックからカメラと配信権限を半ば強引に奪い取ると、自らの手でアングルを調整し、日本で二人で培ってきた「温かみのある手作り感」を生かした画角でスイッチを入れました。
ステージに立った葵は、カメラの向こうにいる陸だけを見つめ、いつもの最高の「塩対応」と、時折見せる最高の笑顔で世界中の視聴者を魅了。陸の即興編集と葵のトークが完璧に噛み合った生配信は、同時接続者数の世界記録を更新する大偉業を達成したのです。
エピローグ:世界一甘い、二人だけの『稼ぎ方』
ロサンゼルスからの帰国後。
二人の自室のスタジオには、世界中から届いた感謝のメッセージと、相変わらず仲良く並んで動画のチェックをする陸と葵の姿がありました。
「ねえ陸、海外のファンから『ふたりは結婚しないの?』ってコメントがたくさん来てるんだけど?」
悪戯っぽく微笑みながら、葵は陸の膝の上に乗り、首に腕を回してきます。
「あ、葵さん!? 生配信のチャット欄でそういうこと言うのは……!」
真っ赤になって狼狽える陸に、葵は最高に甘いキスを唇に落としました。
「いいじゃん。世界一のプロデューサーさん、これからもウチの隣で、一生ウチのこと『愛で』稼がせてね♪」
ハリウッドの嵐を超えて結ばれた二人の絆は、世界中のどんなエンタメよりも甘く、どこまでも強く輝き続けていくのです。
『配信で稼ぎたい塩ギャルと陰キャの俺3』
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